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お待たせ!!本田 カズ初ゴールの地で決めた“予言弾”

[ 2014年4月9日 05:30 ]

ジェノア戦の後半、ゴールを決めるACミランの本田

 ザックジャパンのエースが予告弾を決めた。ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)は7日、敵地のジェノア戦で右MFで先発し、1―0の後半11分、イタリア移籍後のリーグ初得点をマークした。5日付の地元紙のインタビューでゴール宣言したが、いきなり結果を出した。1月のデビューから12試合目で、日本人のセリエAでの得点は8人目。W杯ブラジル大会の開幕が2カ月後に迫り、本田が本領を発揮し始めた。

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 夢にまで見た瞬間が、ついに訪れた。1点リードの後半11分。右サイドから中央へポジションを移した本田はターラブトの縦パスで抜け出した。マークに来たDFをトップスピードでの正確なワンタッチでかわした。飛び出してきたGKの鼻先で左足ループを放つと、ボールは追いすがるDFをあざ笑うかのようにゴールへ吸い込まれた。

 リーグ戦デビューとなった1月12日のサッスオーロ戦から12試合目。5日付の地元紙ガゼッタ・デロ・スポルトのインタビューでは「近いうちにセリエAでもゴールが挙げられると信じている」と話していた。ここ数試合、周囲との理解が深まったことで好機に絡む場面が増え、手応えをつかんでいたのだろう。予告通り初ゴールを決めた。

 得点後は元ブラジル代表MFカカーらチームメートの手荒い祝福を受け、シードルフ監督と抱擁を交わした。指揮官は「彼は今夜の“特別な男”。全ての称賛は彼に贈られるべきだ」と絶賛。カカーは「今まで凄く練習していた。ゴールは彼自身にとって、チームにとって本当に重要なものだった」と苦労が報われたことを心底喜んだ。

 本田はガゼッタ紙のインタビューで「ファンの皆さんが多くのものを期待しているのは知っている。だけど僕は自信を持っている。批判を受けてもへこたれることはない」と気丈に答えたが、道のりは平たんではなかった。本拠地デビュー戦だった1月15日のイタリア杯5回戦スペツィア戦では移籍後初ゴールを決めたが、希望するトップ下ではなく慣れない右MFで起用され持ち味を失っていった。3月2日のユベントス戦では先発落ちし、同16日のパルマ戦は出場機会すら与えられなかった。メディアの批判も試合を重ねるごとにヒートアップ。家の外ではパパラッチが待ち構え、外出もままならなかった。そんなストレスも吹き飛ばす一発となった。

 会場のルイジ・フェラリス競技場は94年12月4日、ジェノアの三浦知良(現J2横浜FC)がセリエAの日本人初ゴールを決めた地だった。それから20年。現在の日本のキングがイタリアの扉をこじ開けた。だが、ここが終着駅ではない。小学校の卒業文集に「セリエAに入団します。そしてレギュラーになって10番で活躍します」とつづった本田のサクセスストーリーは始まったばかり。それは自身2度目のW杯へとつながっていく。

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2014年4月9日のニュース