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ベルギーの若きエース 20歳FWルカク、CL出場圏1差肉薄弾

[ 2014年4月8日 10:40 ]

<エバートン・アーセナル>ドリブルで攻め込むルカク(中央)

プレミアリーグ エバートン3―0アーセナル

(4月6日)
 プレミアリーグ5位のエバートンが欧州CL出場権争いで大きな1勝を挙げた。6日にホームで4位アーセナルに3―0で快勝し、勝ち点1差に肉薄。ベルギー代表FWロメル・ルカク(20)がチームトップの今季13点目を挙げるなど2点に絡む活躍で勝利に大きく貢献した。6月に開幕するW杯ブラジル大会では、タレント軍団で注目されるベルギーのエースとして期待を集めることになりそうだ。

 欧州CL出場権を争うアーセナルとの大一番で、エバートンのルカクが輝いた。前半14分に右サイドから中央に走り込み左足で強烈なシュートを放ち、相手GKがはじいたところをFWネイスミスが押し込んで先制。さらに34分の速攻では右サイドでボールを受けると、1メートル92、95キロとは思えないスピードで切り込みながら相手DF2人を振り切り、左足で豪快に追加点を決めた。

 通常のポジションはセンターFWだが、この日は3トップの右に入った。守備に難がある相手左サイドバックのスペイン代表モンレアルとの1対1を狙うマルティネス監督の指示がズバリ的中。ゴールを決めた後にはベンチに走り、指揮官と歓喜の抱擁を交わした。

 「きょうのようなプレーができれば、4位は俺たちのものだ」とルカクは胸を張った。欧州CL出場圏の4位アーセナルに勝ち点1差に肉薄。しかもエバートンはアーセナルより残り試合が1試合多いため、自力で逆転できる可能性が出てきた。

 ルカクと敵将には因縁があった。アーセナルのベンゲル監督はルカクが今季チェルシーからエバートンへ期限付き移籍したことを批判。ルカクは契約上、チェルシー戦に出場できないため「レンタル元(チェルシー)はリスクを冒すことなく、ライバルを傷つけることが可能」と発言。ルカクは上位4チームのうち、出場できないチェルシー戦を除く3チームからゴールを挙げており、ベンゲル監督自身も警戒していたルカクから、大きな痛手を被る結果となった。

 ルカクは今季得点を13に伸ばし、リーグ8位タイに浮上した。若きストライカーが好調であることはベルギーにとっても朗報だ。エース格だったFWベンテケ(アストンビラ)が3日にアキレス腱を断裂し、全治6カ月以上でW杯出場が絶望となったことで、ルカクに対する期待は一気に高まった。「エバートンで結果を残すことがW杯につながると思う」。20歳の大型ストライカーの活躍が、エバートンの欧州CL出場権争いやプレミアリーグの優勝戦線だけでなく、W杯でダークホースと目されるベルギーの成績にも大きな影響を与えることになる。

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2014年4月8日のニュース