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山下 香川、柿谷待ってろ!C大阪同期とW杯行きへ気合

[ 2014年4月8日 05:30 ]

ザックジャパンの最終ラインに殴り込みをかける山下

 W杯ブラジル大会に向けた日本代表候補の合宿が7日、千葉県内でスタートした。初招集のDF山下達也(26=C大阪)は約1時間半のメニューを精力的にこなし、初対面となったアルベルト・ザッケローニ監督(61)の指導に必死に耳を傾けた。年代別代表歴はほとんどなく、J2から成り上がってきたセンターバック。長髪を頭の上で束ねた“侍ディフェンダー”が、大逆転でのW杯メンバー入りを目指す。

 練習で緊張するのは久しぶりの感覚だった。初招集の山下が頭をフル稼働させながらメニューをこなす。「監督も初めてだしガチガチでした」と苦笑いしながら、戦術練習ではザッケローニ監督の指導に耳を傾けた。「(ボールを回すときに)センターバックでも足を止めるなと言われた。受けるポジションや角度。出方のタイミングだったり刺激になりました」と充実の表情を浮かべた。

 06年に香川(現マンチェスターU)や柿谷とともにC大阪に入団。レベルの高さに「カルチャーショックを受けた。俺のサッカー人生どうなっちゃうの」と苦悩した。U―20代表に招集された経験はあるが、目立った活躍はなく、11年に戦力外に近い形でJ2札幌に完全移籍。だが、06年から成長を見守ってきたC大阪の小菊昭雄氏(当時コーチ、現強化部)が「あいつが手抜きしたところは見たことがない」と語るように努力だけは怠らなかった。翌12年に再びC大阪へ移籍し、13年途中からレギュラー定着。総失点リーグ3位だった昨季の堅守を支えた。2日のACLブリラム戦では2点ビハインドの展開で、いずれもセットプレーから頭で2得点するなど存在感。どん底から成り上がってフル代表に手が届く位置までやってきた。

 代表センターバックは吉田(サウサンプトン)が左膝じん帯損傷で離脱中。チームとしても最近5試合で9失点と不安定だけに高さやハードマークを持ち味とする山下にもチャンスはある。「前でつぶすところやセットプレーの高さ。そこは自分のストロングポイントだしアピールしていきたい」。大逆転でW杯メンバー入りを懸ける今回の合宿はまさに戦国模様。長髪を頭の上で束ね、侍を思い起こさせる26歳が覚悟を胸に戦い続ける。

 ◆山下 達也(やました・たつや)1987年(昭62)11月7日、兵庫県生まれの26歳。兵庫・御影工から06年C大阪入り。J2時代の07年4月7日の鳥栖戦でデビュー。11年はJ2札幌に完全移籍したが、12年にC大阪復帰。同年3月24日の川崎F戦でJ1初出場。13年は先発に定着し、Jリーグ優秀選手賞受賞。J1通算41試合4得点。J2通算53試合0得点。1メートル82、73キロ。

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2014年4月8日のニュース