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U―22選抜零敗…小屋松「ひどい試合」も原理事「最高のスタート」

[ 2014年3月10日 05:30 ]

<琉球・U―22選抜>敗れ、肩を落とすU―22選抜イレブン

J3第1節 U―22選抜0―3琉球

(3月9日 沖縄県陸)
 今季から新設されたJ3が9日、開幕し、各地で6試合が行われた。16年リオデジャネイロ五輪を目指す世代で構成されたJリーグ・U―22選抜は沖縄県陸上競技場でFC琉球と対戦し、0―3で完敗した。7日に集合してからわずか2日間の練習でデビュー戦に臨み、J3の目玉ともなったチームは悔しさからのスタートとなった。

 日本代表の底上げを期して立ち上げたU―22選抜だが、初陣はほろ苦いものとなった。風上に立った前半は一進一退の攻防だったが、風下の後半は一変。後半10分にFC琉球MF小幡に先制を許すと、30分、33分と立て続けに失点し、力の差を見せつけられた。フル出場したMF小屋松は「ひどい試合だった。何もさせてもらえずに終わった」と、ぶぜんとした表情。DFハーフナーも「ヘディングしかできなかった」と肩を落とした。

 練習期間はわずか2日。寄せ集めの集団が連係を合わせるには時間が足りなかった。メンバー16人中11人がリーグ出場0と経験のなさも手伝った。シュート数は3―12。J3とはいえ“大人のサッカー”にはかなわなかった。

 ただ、U―22選抜の主たる目的はリオ五輪世代の強化にある。この世代は一昨年のU―19アジア選手権で4強に入れず、翌年のU―20W杯出場を逃した。日本としては3大会連続の屈辱だった。日本協会にとって“五輪世代”の強化は喫緊の課題。クラブで出場機会を得られない若手選手が公式戦に出場できるメリットは大きい。U―22選抜のJ3参入に尽力し、この日視察に訪れた日本協会の原専務理事は「相手も必死。まあ、そんなに甘くねえよって分かったんじゃない。悔しさを味わったし。最高のスタート」と“してやったり”の表情を浮かべた。

 選手らも、下ばかりを向いていない。小屋松は「限られた(練習)時間の中で自分たちのプレーができないと。J3に参加する意味がない。公式戦を経験できる場所を与えてもらっている。成長できる」と力説する。チームで出場機会がなければ悔しさすら味わえない。次節以降は準備期間は1日と短縮される。日本サッカーの新たな試みが成功するかは、選抜された選手の意識にも懸かってくる。

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