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マンU不振の理由は?なぜ香川は起用されない?モイーズ采配に迫る

[ 2013年10月8日 11:40 ]

開幕ダッシュに失敗したモイーズ監督(右)。香川(左)の起用法にも賛否両論

 プレミアリーグの昨季王者が苦しんでいる。27年間にわたる長期政権に昨季限りでピリオドを打ったアレックス・ファーガソン前監督(71)の後継者としてデビッド・モイーズ新監督(50)が就任。新体制のチームはリーグ開幕7試合を終えて9位に低迷している。不振の理由は?日本代表MF香川真司(24)はなぜ起用されないのか?地元報道を中心にモイーズ采配に迫った。

 昨季わずか5敗でリーグを制したマンチェスターUが、開幕7戦で早くも3敗を喫した。今夏はベルギー代表MFフェライニ以外の補強に失敗したとはいえ、戦力は昨季とほぼ同じ。なぜスタートダッシュに失敗したのか?9月23日付のデーリー・テレグラフ紙は要因の一つに「モイーズ監督の慎重過ぎる采配」を挙げた。ファーガソン前監督は試合を読む勘と本能にたけていたとし、1―4で敗れた同22日のマンチェスターC戦について「精彩を欠いたヤングを使い続けたように、モイーズ采配はファーガソンの勇敢な精神とは相反する」と選手交代で後手に回ったことを批判した。

 新指揮官の“保守的な姿勢”は、選手起用にも表れ、影響をモロに受けているのが先発が公式戦わずか3試合の香川だ。

 デーリー・ミラー紙は9月10日付で「香川を起用しない唯一の理由は、モイーズがやろうとしていることに日本代表が適合しないから。チェルシーやリバプールなど序盤戦の厳しい戦いの中、監督の心には“現実主義”という言葉が浮かんだ。だからチームに居場所がない」と解説した。伝統的な強みであるサイド攻撃でファンペルシーら前線の個を生かす“パワー系”布陣で序盤に着実に勝ち点を稼ごうとしたが失敗。そこで指摘されているのは香川を欠いた中盤の創造性の欠如だ。

 9月30日付のデーリー・テレグラフ紙は「リーグ戦5試合連続で流れの中からゴールがない。夏の移籍市場でセスク・ファブレガス(バルセロナ)らを獲得できず、中盤に創造性が不足している」と問題点を指摘。「香川を起用した欧州CLレバークーゼン戦(9月17日)は、ルーニーとファンペルシーがゴール前でチャンスを見つけることができた」と攻撃を活性化させることができる司令塔の必要性を説いた。

 5日のサンダーランド戦は初先発で2得点した18歳のMFヤヌザイの活躍で2―1と逆転勝ちしたが、最下位相手に先制を許すなど苦戦した。モイーズ監督にチーム浮上の秘策はあるのか。“攻撃の活性剤”となりうる香川を使いこなせるかどうかにも注目が集まる。

 【モイーズ監督の香川発言】

 ☆「(ナニをメンバー入りさせ、香川をベンチ外とした理由を聞かれ)コンディションは2人とも似たような状況。だが試合終盤でナニが必要になると考えていた」(9月1日リバプール戦後)

 ☆「(香川は)コンフェデ杯後、チームに遅れて合流している。そして再び代表の試合に飛び立った。彼を見る機会があまりない」(9月13日)

 ☆「シンジには自分の力を示すチャンスを得ていると感じてほしい。ベストポジションは10番(トップ下)だが、日本代表でも左サイドでプレーしている」(9月28日ウェストブロミッジ戦後)

 ◆デビッド・モイーズ 1963年4月25日、スコットランド生まれの50歳。現役時代はセンターバック。80年セルティックを皮切りにケンブリッジなど主にイングランド下部リーグでプレー。コーチ兼任だったイングランド3部プレストンで98年に引退して監督昇格。99~00年に2部昇格に導いた手腕が評価され、02年にエバートン監督に就任。イングランド監督協会選出の年間最優秀監督を3度(02~03、04~05、08~09年)受賞。

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2013年10月8日のニュース