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ザック監督 香川に異例アドバイス「もっとゴール前で仕事を」

[ 2013年10月8日 06:00 ]

ザッケローニ監督(左)と香川は、話しながら練習場に現れる

 香川よ、危険な男になれ!日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)が7日、不遇のエース、香川真司(24=マンチェスターU)に緊急提言した。約3週間の欧州視察を終えた指揮官はこの日、セルビア・ノビサド市内で取材に応じ、11日のセルビア戦で史上2番目の年少記録で国際Aマッチ通算50戦目に到達する香川に言及。ゴール近くでプレーすることを命じるなど、異例の個別アドバイスを送った。7日に全選手が現地入りした日本代表は同日、初練習を行った。

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 ゴール前で敵を切り裂く姿を、ゴールの喜びを全身で感じる姿を、見たい。セルビア第2の都市、ノビサド市内で取材に応じたザッケローニ監督が香川に対する熱い思いを口にした。その後、練習場にも2人で話し込みながら現れるなど、行動でも示した。これは、マンチェスターUの今季公式戦11試合で出場4試合にとどまる日本の背番号10への緊急提言だ。

 「もっとゴール前で仕事をした方がいい、とアドバイスした。彼のポジションはセカンドトップ(1・5列目)、もしくはトップ下。何を求められるのかといえばゴールだ。サッカーはゴールするための競技。欧州では特にそう」

 約3週間、指揮官は欧州各地を視察した。本場で痛感させられたのがゴールの重要性。香川は攻守に献身的な部分も評価される。だがそれだけでは世界のトップ選手が集うマンUでの生存競争を勝ち抜けない。

 「ゴールすることで、監督にもより起用しやすい状況が生まれる。イタリアの新聞にも、メッシやC・ロナウド、最近は本田も出てくるが、結局はゴールを決めたとき。そのメンバーがアシストしても紙面に載ることはない」。時折、“監督目線”も交え、熱弁を続けた。むろん、香川への絶対的な信頼感、期待感の裏返しでもある。

 セルビア戦はザッケローニ監督にも特別な一戦だ。W杯予選では敵地でウズベキスタン、ヨルダンなど格下に苦杯を喫し、アウェーでの軟弱ぶりを「まさに感じていた」と言う。今回の強化試合も日本協会に強く要請して実現したもの。16歳年下の敵将ミハイロビッチ監督とはラツィオ時代、師弟関係を築いた縁もある。プレミアリーグやセリエAの猛者がそろう相手は仮想W杯、香川が復権の足掛かりをつかむ一戦として申し分ない。

 香川にとっても国際Aマッチ通算50戦目という節目の一戦だ。24歳208日での到達は内田(24歳77日)に次ぐ史上2番目の若さ。日本代表は前線に最もタレントがそろい、その記録的価値は小さくない。初日の練習で早速、2列目左に入った香川は「調子は悪くないですよ」と言う。よりゴールに近いエリアに君臨し「危険な男」になる。香川がアウェーの地で、不遇を強いられているクラブでのうっ憤を振り払う。

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2013年10月8日のニュース