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大儀見 敗戦に辛口「できて当たり前にしていかなきゃ」

[ 2013年7月1日 06:00 ]

<ドイツ・日本>後半、マークを受け倒される大儀見

親善試合 ドイツ4―2日本

(6月29日 ミュンヘン)
 欧州遠征中のなでしこジャパンは29日、ドイツと親善試合を行い、2―4で敗れた。FW大儀見優季(25=ポツダム)が1得点1アシストの活躍で2度追いついたが、後半42分から2失点。大儀見はプレーの精度など課題克服を見据え、3連覇が懸かる7月の東アジア杯(韓国)に完勝ノルマを課した。欧州遠征は1分け1敗で終わった。

 敗戦直後から大儀見は次を見据えていた。7月20日開幕の東アジア杯に向け「落ちる相手には当たり前にできるレベルを上げないといけない。常にドイツや米国を相手にしているイメージで」と発言。韓国などとの対戦では内容を伴った完勝は最低条件とし、「できて当たり前にしていかなきゃ」と言い放った。

 世界ランクで2、3位の激突は、欧州での女子サッカー親善試合では史上最多4万6104人が観戦した。ホームのドイツに序盤から押し込まれる展開となり、佐々木監督は「技術、コンディション、フィジカル。全てにおいてドイツに勝っていなかった」と振り返った。

 親善試合3試合で意識してきた敵陣に素早く迫る縦パスが狙われ、鋭いカウンターの脅威にさらされた。持ち味のパスワークでも劣り、指揮官は「ドイツの質が高くなっていた。ボールを左右に動かしながら突いてくる。我々が(そのプレーを)やらないといけない」と指摘した。

 そんな状況でも大儀見だけは存在感を発揮した。ブンデスリーガ得点王はフィジカルで差がある相手と互角に渡り合い、前半40分に前線でボールを収めて同点弾を演出した。決めた大野は「大儀見さんの得点みたいなもの」と称賛。後半15分はFKのはね返りを蹴り込んで再度追いつき、自ら「最後まで集中していたのですぐに反応できた」と振り返った。勝ったとはいえ防戦一方だった11年W杯準々決勝ドイツ戦から、なでしこが手にしたのは頼もしいエースの存在だ。

 今季限りでポツダムを退団。チェルシー移籍が決定的と見られ、ドイツでプレーする機会は当面ない。その中で「育てられた」と認める地元ファンに成長した姿を見せたが「個の質やプレーの精度を上げないと」と戦いに満足はしていない。完勝が求められる東アジア杯でも、なでしこのエースとしてチームを引っ張る覚悟だ。

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2013年7月1日のニュース