倉田２発！Ｇ大阪完勝も降格危機…遠藤「次も勝つだけ」

＜清水・Ｇ大阪＞前半、Ｇ大阪・倉田が先制ゴールを決める。ＧＫ林

Ｊ１第３２節 Ｇ大阪３―１清水

（11月17日 アウスタ）
　逆転残留へ執念でつかみ取った勝ち点３だ。負ければ一気に赤信号がともる一戦で、Ｇ大阪はＷ杯アジア最終予選オマーン戦から中２日での強行先発となったＭＦ遠藤やＤＦ今野はじめチーム全員が気迫あふれるプレーを披露。アウェーながら、内容でも清水を圧倒する完勝で勝ち点を３７に伸ばした。

　立役者となったのがＭＦ倉田だ。前半２４分、ＦＷ家長のパスを受けると見事な個人技で左サイドを突破。最後は角度のないところから右足で蹴り込み「良かったと思います」と自画自賛する先制弾。これで勢いに乗るとＦＷレアンドロのゴールで２―１とリードして迎えた後半１９分にはＭＦ二川のパスにフリーで抜け出し、貴重なダメ押しゴール。「ごちそうさんっていう感じでした」と前節途中交代のうっぷんを晴らし、笑顔を見せた。

　前日の練習では不調に見舞われ、松波監督から「ゴールは試合に取っておいてくれ」と声を掛けられた。試合前には再び指揮官から「シュートを５本以上打て」とゲキを飛ばされ発奮。「とにかくシュートを打ったろと思ってました」と振り返った積極的な姿勢が最高の結果につながった。

　松波監督も「良い時間帯に取ってくれた」と殊勲の背番号１４を絶賛。今季の勝利はすべて３点以上を記録し、リーグ最多得点を誇る“らしさ”全開の勝利に「２点で勝ってたら、３点取らないと勝てない…とは言われなくなると思うんですけどね」と言葉も弾んだ。

　ただ、残留へ向けて厳しい状況であることは変わらない。神戸と大宮が勝利したため、次節は引き分け以下だと降格が決定する可能性もある。指揮官は「次も攻撃的な姿勢で行く」と“スタイル”を貫いて残留を勝ち取る決意を示した。

　チームの柱である遠藤も「他のチームの結果を気にしていても仕方がない。次のＦＣ東京戦も、勝つことしか考えていない」と前を向いた。あくまで残留は他力。だが、負けられない戦いが続く中で奇跡を起こせる底力が“西の雄”にはある。