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赤嶺2発!仙台、逆転Vに望み…首位広島に1差接近

[ 2012年11月18日 06:00 ]

<鹿島・仙台>前半39分、赤嶺(左端)はゴールライン際の難しい角度からヘディングでゴールを決める

J1第32節 仙台3―3鹿島

(11月17日 カシマ)
 仙台が逆転優勝に望みをつないだ。敵地で鹿島と対戦し、FW赤嶺真吾(28)の2ゴールなどで前半3―1とリードしながら、後半2点を失い3―3。3戦連続で引き分けた。首位浮上のチャンスは逃したが、過去2連敗していたカシマスタジアムで勝ち点1を獲得し、浦和に0―2で敗れた首位広島に勝ち点1差に肉薄した。広島と仙台は3位以内が確定してアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した。次節(24日)広島が勝って仙台が負けると、広島の初優勝が決まる。
【試合結果 順位表】

 終了の笛が響くと、仙台イレブンは雨のピッチに倒れ込んだ。後半に2点差を追いつかれた。勝っていれば広島から首位を奪って初優勝に王手をかけていただけに、結果的には痛恨のドロー。それでも手倉森監督は前向きだった。試合後、選手に「2点を守りきれず勝てなかった気持ちは切り捨てよう。逆に、強豪鹿島の敵地で2点をリードしてゲームを運べたことに自信を持とう」と語りかけた。

 指揮官が口にした「自信」の理由は、過去2年で2敗、しかも昨年は0―3で完敗していた鬼門で、J1通算5年目で初めて3ゴールを奪ったところにあった。その立役者はエースのFW赤嶺。前半12分、DF菅井の右クロスを頭で合わせて先制点を奪うと、圧巻は2―1で迎えた前半39分の追加点。DF朴柱成(パクチュソン)の左クロスを、ファーポストのゴールライン上ぎりぎりでヘディング。「あれは狙った。隙間にコースが見えた」。ほとんど角度がない位置からの“神業シュート”は、左ポストに当たってゴールに吸い込まれた。

 「2ゴールできたのはうれしい」と淡々と話す背番号24。10年8月、移籍期間の終了2日前に滑り込みで契約がまとまりFC東京から加入すると、後半戦だけで4ゴール。手倉森監督が「すぐにチームになじんで、得点だけでなく守備でも貢献してくれた」と言うように、7季ぶりのJ1でケガ人が続出し、残留争いに巻き込まれた仙台を降格から救った。昨季はチーム最多の14得点を挙げ、チームは過去最高の4位。そして今季もチーム最多タイの13得点と、赤嶺のゴール数が仙台の躍進に直結している。

 前半途中に右足甲を痛め、後半19分に途中交代。試合後は治療を受け、右足を少し引きずりながらバスに乗り込んだ。「腫れがある。検査を受けることになると思う」としながらも「残り2試合に出たい」と強行出場も辞さない構えだ。広島とは勝ち点差1。残り2試合で逆転するためには、エースのさらなるゴールが必要だ。

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