×

ゴトビ監督涙「エスパルスのSは真田さんのことじゃないかと…」

[ 2011年9月8日 11:04 ]

真田さんの突然の死に、涙を浮かべ会見するゴトビ監督

 J1清水は7日、休養中だったGKコーチの真田雅則さん(享年43)が急性心不全のため前日6日に死去したことで選手の動揺が激しいことから、本格的な練習を取りやめ、ジョギングとミーティングだけを行った。アフシン・ゴトビ監督(47)は「これから先の試合を真田さんとご家族にささげたい」と涙。悲しみを乗り越えてチームは10日の静岡ダービー・磐田戦(エコパ)へ向けて、8日から再始動する。

 ゴトビ監督は急きょ選手に、アップシューズでグラウンドに出るように指示、スタッフにはピッチにあったボールを片づけさせた。既に真田さんが亡くなったことは選手には伝わっていたが、練習前の室内ミーティングで竹内社長が選手にあらためて報告すると、選手の動揺は抑え切れないものになったからだ。全員でグラウンドをジョギングしたが、重苦しい空気が漂ったまま。同監督はそのまま選手を連れて近くの海岸まで走り、砂浜で黙とうをささげた後、全員で真田さんへの思いを語り合った。

 ゴトビ監督は「真田さんのことは兄弟だと思っていた。彼はこのクラブの象徴でスーパースター。エスパルスのSは真田さんのことじゃないかと思う」と敬意を表した。「彼のやさしい笑顔が印象に残っている」と話すと、目から涙がこぼれ落ちた。同監督は6日夜にクラブから訃報を伝えられ、すぐに真田さんの元へ向かった。

 同夜に訃報を知ったMF小野主将は「まさか(クラブから)そんな報告だとは思わず眠気が覚めた。今年になって震災とか(故・元日本代表DF)松田さんが亡くなったり。心の整理がつかない」と心境を明かした。

 真田さんの現役最後のシーズンとなった04年清水ユースからトップ昇格したGK山本海は「当時から指導を受けた。今年は恩返ししたいと思っていたが、情けないプレーをした自分に腹が立つ」と悔やむ。「これからはもっと気持ちが入ったプレーをして、どこかで笑ってもらえるように頑張りたい」とも言った。

 2日後には静岡ダービーが控えている。「真田さんが天国でチームを見守ってくれていると思う。ダービーに集中し、あすから前を向いてやっていきたい」と小野。ゴトビ監督は「これから先の試合は真田さんとご家族にささげたい」と、真田さんへの思いを胸に残り10試合を戦う決意を示した。

続きを表示

この記事のフォト

2011年9月8日のニュース