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「なでしこ」が米紙の1面席巻 中国では「日本に学べ」

[ 2011年7月19日 18:34 ]

 サッカーの日本女子代表「なでしこジャパン」がワールドカップ(W杯)初優勝を達成したことについて、決勝の相手だった米国の主要各紙が歓喜に沸く選手たちの写真を1面に掲載、中国の新聞は「日本に学べ」と論じるなど、18、19日付の世界の新聞が大きく扱った。

 18日付の米紙ニューヨーク・タイムズは「なでしこ」を東日本大震災と原発事故から立ち上がろうとする日本の姿に絡めて「不屈のチーム」と表現。本体1面の写真のほか、別刷りのスポーツ版では、笑顔の沢穂希選手が右手を突き上げて駆けている写真を、1面の半分を割いて掲載した。

 19日付の中国各紙も大きく報道した。共産党機関紙、人民日報は「アジアのチームが20年にわたる欧米の(W杯)独占を打ち破った」と評価。低迷する中国女子代表と比較しながら、欧米に体格で劣る日本選手が技術やチーム力を生かしライバルを撃退したと指摘。優勝が「驚きであり、うらやましい」とのインターネットの書き込みも紹介した。

 中国体育報は、優勝は「日本人の謹厳でまじめな態度」が要因ではと分析。中国のサッカー界が日本に学ぶよう強調した。

 台湾紙、聯合報は1面で、沢選手を「日本にとって(震災以来)4カ月に及ぶ暗黒の中に現れたヒロイン」と称賛した。

 韓国でも韓国日報が「大地震以降、初の笑み」との見出しで優勝を祝う東京のサポーターらの写真を1面に掲載。ほかの主要紙も大きく扱った。東亜日報は「日本社会に、活気を取り戻してくれる価値ある贈り物」などと、日本全体の感激ぶりを伝えた。

 ロシアのソビエツキー・スポルト紙(電子版)は19日、「なでしこ」は「出場チームで最も平均身長が低い」「その優勝はセンセーショナルだ」と驚きを込めて伝えた。チームが大会中、震災被災地の映像を見ていたことも取り上げ「日本の女性たちは悲劇の映像に鼓舞された」と指摘した。(共同)

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2011年7月19日のニュース