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梁勇基が先制弾!仙台 “内紛”乗り越え連敗阻止

[ 2011年7月3日 06:00 ]

<仙台・名古屋>前半44分、先制ゴールを決める仙台・梁勇基

J1第2節第1日 仙台1―1名古屋

(7月2日 ユアスタ)
 大黒柱が仙台の危機を救った。前節に今季初黒星を喫した仙台はホームで名古屋と1―1で引き分けて連敗を阻止。過去6戦全敗だった昨季王者から初めて勝ち点を奪った。前日に発症した首痛を押して強行出場した北朝鮮代表MF梁勇基(29)が2試合ぶりの今季2点目を挙げて貢献。チームの和を乱したため自宅謹慎となった日本代表MF関口訓充(25)の穴を埋めた。
【試合結果】

 杜の都の鉄人が強行出場でもキッチリ大仕事をやってのけた。仙台のMF梁勇基が、過去6戦全敗だった苦手の名古屋から前半44分に先制ゴール。チームの武器である速攻からFW中島のパスを中央で受けると、右足を振り抜いて鮮やかなシュートをゴール左上に突き刺した。

 「変な力を入れずに自然体で打てた。イメージ通りだった」と喜んだ背番号10だったが、実は首に“爆弾”を抱えていた。前日1日の練習中に突然、原因不明の首痛を発症。出場の可否を決めるこの日午前10時半ギリギリまで治療を受け、痛み止めを飲んで先発することが決まったが「正直どれくらいできるか不安だった」。それでもJ2時代の07年から164試合連続で先発している大黒柱は試合中に痛みが出ても一切表情には出さず、後半34分に交代するまで攻守に走り回った。

 「1人が抜けたことで負けたと言われたくなかった」と梁勇基。同期入団で同じ副将である関口が自宅謹慎で不在だった。理由は6月22日の甲府戦で先発落ちしたことに反発してチームの和を乱したため。手倉森監督は「復興へ希望の光になるために必要なのはフォア・ザ・チーム、フォア・ザ・東北の精神。1人が感情に走ってはならない」とき然と説明。開幕から12戦不敗という快進撃の原動力となった団結力を崩すわけにはいかなかった。

 この日の名古屋戦は、本来は震災が起きた翌日の3月12日に行われるはずだった。白星こそ挙げられなかったが、追いつかれた後の猛攻をしのいで名古屋から初めて勝ち点を奪った。前節清水戦での今季初黒星に続く連敗は阻止。昨季は同じ清水戦の大敗をきっかけに3連敗して結局14戦未勝利と泥沼にはまっただけに、梁勇基は「ズルズルいかなかった。チームに粘りが出て成長している」と手応えを口にした。貴重な勝ち点1を加えて暫定2位に浮上。初黒星、そして“内紛”を乗り越えた仙台が再浮上を目指す。

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2011年7月3日のニュース