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香川、ゴールならず…笑顔なき“10番デビュー”

[ 2011年1月10日 06:00 ]

<日本・ヨルダン>後半、攻めあがる香川

アジア杯1次リーグB組 日本1―1ヨルダン

(1月9日 カタール・ドーハ)
 「10番」のデビュー戦はホロ苦いものとなった。前半40分、MF香川真司が決定機を逃した。MF松井のクロスをFW前田がスルー。ゴール前の香川は絶妙なトラップからボールをキープすると、相手DF2人の間を抜けて右足でシュート。だがボールはGKの正面だった。

 「やはり簡単には勝てない。チャンスはあったので決めないといけない。ボールを持てる分、持ってしまってボールが出せなかった。もっとリスクを冒さないといけない。前半はサイドに張っていろと言われたが、スイッチを入れられなかった」。試合後は悔しさを隠さなかった。

 香川にとってアジア杯は新たな挑戦の場だった。かつて日本の10番といえば、ラモス、名波、中村らゲームメーカーがほとんど。だが香川は「自分はそういうタイプではない。自分は自分。もっとインパクトのある選手になりたい」とゴール前で決定的な仕事をするスタイルを宣言。これまでの10番像を覆すような活躍を誓って、カタールに乗り込んでいた。

 だからこそ頼れる先輩とも競い合った。W杯南アフリカ大会後、日本代表のトップ下には本田圭が君臨していた。それでも「チームでもトップ下でやってるので代表でもやりたい」と香川。カタール入り後、ザッケローニ監督にも中央でプレーしたいと直訴した。本田圭とは何でも相談し合える仲。だがピッチ上の主張だけは譲れなかった。

 後半13分、攻撃陣の選手入れ替えとともに香川は満を持してトップ下に投入された。攻撃の迫力は増し、後半ロスタイムにはDF吉田の同点ゴールが生まれた。それでも「悔しい。次のシリア戦は絶対に負けられない」と香川に笑顔はなかった。

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2011年1月10日のニュース