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大宮 出直しのはずが泣きっ面に“誤審”

[ 2010年10月25日 06:00 ]

<大宮・川崎F>前半、大宮・金沢のシュートがバーに当たりゴールを割ったかのように見えたが判定はノーゴール

 弱り目にたたり目とはこのことだ。入場者数の水増しというピッチ外での不祥事を起こした大宮が、ピッチ内で“誤審”に揺れた。24日に行われたJ1第27節最終日、ホームの川崎F戦で、2点を追う前半21分にMF金沢慎(27)が放ったミドルシュートはゴールラインを越えたように見えたが、判定はノーゴール。この1点が響いて結局2-2のドローに終わり、残留争いの中で貴重な勝ち点2を失う結果となった。

【試合結果


 場内の大型スクリーンに流れた映像には、大宮の“ゴールシーン”がはっきりと映っていた。0-2で迎えた前半21分。MF金沢が放った鮮烈な右足ミドルはクロスバーを叩き地面に落ちた。ボールはゴールラインを明らかに越えていたが、岡田主審の判定はノーゴール。直後のVTRを見た観衆からはどよめきとブーイングが起こった。
 まるで“世紀の大誤審”の再現だった。W杯南アフリカ大会のドイツ-イングランド戦。イングランドMFランパードの“ゴール”が認められなかった場面と同様のプレーと判定。金沢は「人がやってることなので間違いはある。VTRは見ていないが入っていたと聞いたので残念。自分にとっては“J1初ゴール”だったので…」と消えた記念弾に肩を落とした。
 9月25日のFC東京戦(味スタ)でも同じような判定でFWラファエルの“ゴール”が認められなかったが、1-0で勝った。しかし、今回は後半の猛反撃で2点を返したものの引き分け止まり。鈴木監督は「非常に大きな勝ち点1」と前向きに語ったが、結果的には“幻のゴール”となったことで貴重な勝ち点2を失った。14位と残留争いに沈むチームにとって痛すぎる“誤審”だった。
 ホームで出直しのはずだった。観客数を水増し発表していた問題について試合前、渡辺社長は「許されない裏切り行為であり、深く、深くおわび申し上げます」とファンに謝罪したが、スタンドからは厳しい声が飛んだ。ピッチ外での不祥事に続いてピッチ内での誤審。スタンドには「積み上げた勝ち点に水増しなし」という横断幕が掲げられたが、騒動の中、すっきりと勝ち点3を積み上げることはできなかった。

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2010年10月25日のニュース