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平山ロスタイムV弾!投げキスも思わず解禁

[ 2010年3月7日 06:00 ]

<FC東京・横浜>前半、シュートを放つFC東京・平山相太(左)

 平山が強烈アピール弾。Jリーグは6日に開幕し、FC東京はホームで横浜と激突。0―0の後半ロスタイム、日本代表FW平山相太(24)がMF石川のクロスを右足で合わせ今季初得点を決めて1―0の劇的勝利に導いた。また、鹿島のFW興梠慎三(23)は視察した岡田武史監督(53)の目の前で先制ゴール。23人のW杯メンバー入りを狙う岡田ジャパンのFW陣がアピール合戦を展開した。

 青と赤に染まるゴール裏に向かって走った。歓喜に沸くサポーターに向け、開幕弾を決めた平山が熱烈な投げキスを贈る。「愛を込めてっすよ」。U―21日本代表時代に編み出したパフォーマンス。当時は「気持ちが悪い」と不評を買った。以来、封印してきた愛のポーズを思わず解禁。それほど興奮していた。

 あまりに劇的な得点だった。0―0のまま突入した後半ロスタイム。快足MF石川がスピードに乗った瞬間、1メートル90の巨体は逆サイドを全力疾走していた。高速クロスに走り込みダイレクトで右足を合わせた。「なかなか、いいスピードで来ましたね。自分は合わせただけ。半分は(石川)直さんのゴールっすよ」。平山は事もなげに言う。だが、これこそが怪物の進化した姿だった。

 DF長友「クロスも速いし、あれは難しいシュート。試合後は“無心だった”って言ってましたよ。バーレーン戦(ベンチ外)の悔しさもあっただろうし、やっぱり持ってますよね」

 城福監督「あの時間帯にあそこ(左サイドのスペース)にいることが凄い。ゆっくり走っていたら間に合わない」

 チームメートも、辛口の指揮官も絶賛の嵐だ。90分間落ちないスタミナと運動量、プレッシャーのかかる場面での決定力はさすがだ。試合後の平山が何度も口にした「早い動きだし」は、1月から続いた代表合宿で培ったもの。日本代表のバーレーン戦(3日)で屈辱のベンチ外にも泣き言を言わず、開幕戦に照準を定めた。数々の要素が凝縮された一撃は、W杯メンバー入りに向け強烈なアピールとなった。

 「平山劇場」は試合後も続いた。クラブの30代スタッフがロスタイム弾に感動。「相太、泣きそうになったよ」と震える声で呼び止めても「何でっすか?涙腺緩いっすね。もう年っすよ」と素っ気なかった。怪物にとって、劇的な開幕弾も単なる通過点だ。「まだたったの1点っすよ。FC東京が34節(最終戦)を迎えたとき、優勝争いをしているためのゴールなんで…」

 慢心はない。今のところ、投げキスへの不評も聞こえてこない。1点1点積み重ねれば、南アフリカへの道は開けて来る。

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2010年3月7日のニュース