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小笠原みそぎ弾!ACL退場ショック一掃

[ 2009年6月29日 06:00 ]

<大分・鹿島>後半16分、同点ゴールを決める鹿島・小笠原満男

 MF小笠原満男(30)の汚名返上弾で、鹿島がリーグ戦7連勝を飾った。J1第15節の28日、アウェーで大分と対戦した首位・鹿島は、2―1で逆転勝利を収めた。ACLでは24日にFCソウルに負けて16強で敗退したが、その試合で退場になった小笠原が同点ゴールを決めるなどショックを一掃。来季のアジア制覇に向けて、新たな一歩を踏み出した。

【試合結果
J1順位表


 悔しさを右足に込めた。0―1の後半16分。ゴール前でキープした興梠が右サイドに送り、フリーになっていた野沢が逆サイドのスペースへ浮き球のパス。ペナルティーエリアの外から相手DFの裏に飛び込んできた小笠原がダイレクトボレーで合わせ、豪快な一撃をゴールネットに突き刺した。貴重な同点ゴール。だが、歓喜の輪の中心にいた主将は淡々とした表情だった。

 「ゴールは僕の仕事じゃないし、他にも仕事はある。おまけみたいなものだけど、やっぱりうれしいですね。ACLのことがあったんで、どんな形でも勝ちたかった」

 初制覇を目指して臨んだACLだったが、FCソウルにPK戦の末に敗れて16強で敗退した。2度の警告を受けて退場した小笠原は誰よりも責任を感じていた。普段は試合終了後すぐに着替えるが、ロッカールームで頭を抱えて汗で濡れたユニホームになかなか手を掛けることができなかった。「あの試合を、あの悔しさを忘れることはできない」。経験豊富な小笠原にとっても悔いの残った一戦だった。

 だからこそ汚名を返上したかった。FCソウル戦後はイレブンへの謝罪を約束していたが、「やっぱりやめました」と言葉にはしなかった。代わりにプレーで引っ張っていく。「口で言うより、少しずつ勝利で貢献したかった」。後半27分には左CKから岩政の勝ち越しゴールの起点にもなった。2得点に絡んでチームを逆転でリーグ7連勝に導き、頼れる主将であることを証明した。

 1試合少ない状態で2位・新潟との勝ち点差7をキープし、首位を独走している。「もう1回Jリーグで優勝して、アジアのタイトルを獲りたい」と小笠原が言えば、青木も「アジアに挑戦し続ける高いレベルを保ち続けたい」と気持ちを切り替えた。3連覇の先にある来年のACLへ。小笠原と鹿島が再スタートを切った。

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2009年6月29日のニュース