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コンフェデ杯 輸送面はトラブル続出

[ 2009年6月29日 16:01 ]

 サッカーのコンフェデレーションズカップ南アフリカ大会が28日に閉幕した。来年のワールドカップ(W杯)を見据え、懸念される治安と輸送の実態に注目が集まったテスト大会でもあった。国際サッカー連盟(FIFA)のバルク事務局長は「おおむね成功と言えるが、多くの課題も見えた」と総括した。

 警察当局によると、期間中に大きな事件は報告されなかった。8千人の警官を動員し、競技場の半径1キロ圏内は許可なしに入場できない厳戒態勢を敷いたことが奏功したようだ。当然、W杯では観客数が何倍にも膨れ上がるが、警官数も5倍の4万人以上に増える。
 心配の種はある。大会組織委員会が当初契約していた警備会社が賃金未払いを理由に開幕前に撤退。代替の警備員は訓練不足のため、会場内や検問場所で混乱が絶えなかった。
 輸送面は苦情が噴出した。マイカーやタクシーで会場を訪れたファンは競技場から離れた指定場所に駐車し、そこからバスで移動。これが予想以上の渋滞を招き、大勢が試合開始に間に合わなかった。また偽装係員に誘導されて駐車し、盗難に遭うケースが相次いだ。
 さらに、W杯では都市間移動に大型バスを大量導入する予定だが、猛反対するタクシー業者に妨害されて計画が進んでいないことも表面化した。
 本番までの1年間で事態を改善できるか。組織委のジョーダーン専務理事は「W杯とコンフェデ杯では断然スケールが違う。肝に銘じて諸問題の解決に取り組む」と力説した。(共同)

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2009年6月29日のニュース