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189日ぶり!千葉5連勝で降格圏脱出

[ 2008年10月6日 06:00 ]

<千葉・浦和>「残留」と書かれたの横断幕の前で、サポーターの声援に応える千葉・ミシェウ

 千葉が189日ぶりにJ2降格圏(16位以下)を脱出した。J1第28節最終日は5日、各地で3試合が行われ、前節まで16位だった千葉は浦和と対戦。試合開始わずか21秒にMF深井正樹(28)のゴールで先制すると、同点とされた後半12分にも再び深井が技ありのゴールを決めて勝ち越し。結局、3―2で浦和を振り切り、今季初の5連勝で勝ち点33とし14位に浮上した。

【J1試合結果
J1順位表


 身長1メートル61の小柄なFWが、赤い悪魔を手玉に取った。同点で迎えた後半12分。ゴールを背にパスを受けると深井が予想外のプレーに出た。「トラップしたらDFが来たんで一瞬の判断だった」。右足を軸に左足裏でボールを巧みにコントロール。元フランス代表のMFジダンが得意にしたマルセイユ・ルーレットで反時計回りに180度回転し、浦和のDF阿部のマークを外す。前を向くと今度は足元に飛び込んできたDF坪井のスライディングを、ふわりと浮かしたシュートでかわしてゴールネットを揺らした。

 「ターンしたら自然にシュートが打てた。楽しんでプレーできてるから」。試合開始わずか21秒での先制弾に続く勝ち越し弾。同21分にはミシェウがDF闘莉王の股間を抜くシュートで粘る浦和を振り切った。今季初の5連勝。3月30日の川崎F戦で17位に沈んで以来、189日ぶりに降格圏を脱出した。この怒とうの巻き返しは、8月下旬に出番を求めて名古屋から新加入した深井なしではあり得なかった。加入直後の東京V戦で定位置をつかむのと同時に連勝街道がスタート。名古屋でわずか5試合の出場にとどまっていた男が、移籍後は一気に4ゴールの活躍を見せた。

 03年に駒大から将来のエース候補として鹿島入り。だが、その後は定位置を奪えず、大学時代に2トップを組んだ巻に後れを取った。鹿島、新潟、名古屋、千葉と4クラブを渡り歩き「やっと自分の居場所を見つけた」と言う。ミラー監督との出会いも大きかった。「今まではドリブルは良くないとか制約が多く悩んだけど、ドンドン仕掛けろと言ってくれる」と声を弾ませた。

 昨季の主力5選手が抜け、開幕当初は11戦勝利なしの地獄を見た千葉。雌伏の時を経て花開いた男がJ1残留への救世主になる。

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2008年10月6日のニュース