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前田ハットでウズベク戦秘密兵器名乗り

[ 2008年10月6日 06:00 ]

<磐田・札幌>前半7分、先制ゴールを決め、ガッツポーズで喜ぶ磐田・前田

 磐田のFW前田遼一(26)が5日、札幌戦(ヤマハ)で、05年7月9日のC大阪戦以来となる自身2度目のハットトリックを達成した。日本代表の岡田武史監督(52)が見守る中での3発アピールで、15日に行われるW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦の日本代表メンバーへの追加招集は濃厚。故障を乗り越えた岡田監督の“秘蔵っ子”が、日本代表でも存在感をアピールする。

【J1試合結果


 前田がウズベキスタン戦の“秘密兵器”に名乗りを上げた。前半7分、左サイドからのクロスをファンブルした相手GKのミスを逃さず、こぼれ球を拾って先制点を奪うと、32、36分と立て続けに日本代表MF駒野の右CKから、豪快なヘディングで決めた。3年3カ月ぶりのハットトリック。前回の19分間には及ばなかったものの、今回もわずか29分間で達成した。

 「このホーム2試合で負ければ(J2に)落ちると思っていた。(オフト)監督を信じた」。5―0大勝を呼び込んだ前田の大爆発。これで得失点差で東京Vを抜き、磐田は7節ぶりに降格圏を脱した。

 9試合連続で白星から見放されるなど、チームが泥沼に陥っていた時期でも、オフト監督は攻撃に人数をかけない「ノーリスク」戦術を徹底してきた。だが、この方針に反発し、指揮官に戦術変更を直談判したのが前田だった。進言は受け入れられなかったが、この日の3発でわだかまりも吹き飛ばした。

 日本代表の一員として参加した2月17日の東アジア選手権・北朝鮮戦で右ひざを負傷し、同29日に手術。戦列に復帰したばかりだった5月には、6月のW杯アジア3次予選4試合に向けて日本代表に招集された。だが再発防止を理由に、クラブが前田の派遣を拒否。最終的には合宿初日に岡田監督と前田が直接会談して辞退が認められたが、最後まで招集に固執したあたりに岡田監督の前田に対する期待の大きさが表れている。

 試合を観戦した岡田監督は「きょうはしゃべることはない」と多くを語らなかったが、この日の3発を見るまでもなく、前田への評価は揺るぎない。岡田監督の“秘蔵っ子”は、9日のキリン杯UAE戦(新潟)後にも再び日本代表に帰ってくる。

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2008年10月6日のニュース