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ルール通りなら“試合不成立”も…

[ 2008年7月30日 06:00 ]

<日本・アルゼンチン>試合後、サポーターにあいさつする日本イレブン

 【日本0―1アルゼンチン】前代未聞の打ち切り劇は、後半39分に決断された。協会関係者によると、後半開始直後にすでに近隣の警察署から「雷が近づいているから注意してください」との連絡が入ったという。その後は、スタッフがインターネットで雨雲レーダーの様子を随時チェック。そして最初に大きな雷がスタジアムに響き渡った直後、マッチコミッショナーが両協会の承諾を得た上で中断を決定。第4審判を通じてその旨が主審に伝えられ、最終的に中断開始から6分後に打ち切りとなった。

 競技規則では「プレーの時間を変更するための合意は、プレー開始前になされなければならない」と定めている。だが今回は事前に特別な申し合わせはしておらず、ルール通りなら試合は成立しないはずだった。しかし、国際親善試合ということもあり、日本協会とアルゼンチン協会による合意の上で柔軟に対処した。

 日本協会の犬飼会長は「何かあったら取り返しがつかない。雷には抵抗できないね」とやむを得ない決断だったことを強調。田嶋幸三専務理事は「観客、選手、審判員の安全と五輪での選手のコンディション、交通機関などあらゆることを考慮した」と判断の背景を説明。「国際サッカー連盟(FIFA)に電話で確認したら、双方が合意していればOKだと言われた」としている。記録上、試合は成立の扱いになったが、極めて異例の事態となった。

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2008年7月30日のニュース