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真央、絶好調!本番衣装でジャンプ成功率100%

[ 2010年2月24日 06:00 ]

女子SPに向け、本番会場で練習する浅田

 金メダル獲りへ準備完了だ。注目を集めるフィギュアスケート女子は23日午後4時半(日本時間24日午前9時半)からショートプログラム(SP)が行われる。浅田真央(19=中京大)は22日(同23日)の練習で32回飛んだジャンプをすべて決めた。SPでカギとなるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も8回挑んですべて成功と絶好調モードだ。金メダル獲得へ、苦手のSPでロケットスタートを決める。

 準備は整った。SP前日の公式練習で、浅田が絶好調モードに突入だ。本番会場パシフィックコロシアムでは、トリプルアクセルに5回挑んですべて成功。練習専用リンクに移ってからも、3回すべて決めた。“8発8中”だった大技を含め、この日跳んだ32回のジャンプでミスは1度もなし。コメントはなくても、自信に満ちた表情が手応えを物語っていた。タチアナ・タラソワ・コーチ(63=ロシア)は「いい練習だった」と満足そうに話した。
 ライバルとの再会でスイッチが入った。パシフィックコロシアムではキム・ヨナ(19=韓国)と同じ時間帯に滑った。昨年10月のフランス杯以来の顔合わせだった。目を合わせることはなかったが、見えない火花が散った。
 浅田は、濃いピンクの新しいSP用の衣装を身にまとった。これまでは淡いピンクの衣装だったが、バレエとダンスの雑誌「ダンスマガジン」に掲載された衣装を参考に費用約15万円で製作した。完成したのはバンクーバー出発の前日(19日)。ギリギリ間に合った。
 日本スケート連盟が借り上げているリンクで非公開練習を行い、ひそかに新衣装を試す計画もあったが、あえて公開。「本番会場の氷の上でどう映えるか見るため。本番でどちらを着るかは、まだ分からない」と関係者は話したが、ジャンプ以外の準備も完了した。
 ただSPへの苦手意識も垣間見えた。この日は本番会場と練習専用リンクで2度練習したが、ともにSPの曲を流して演技した。これまではSP前日は、SPとフリーのプログラムを1回ずつ滑るのが通例だった。2度目は浅田が「フリーではなくSPを滑りたい」と希望したという。20日の会見では「SPがカギになってくる。すべてクリーンにできるように、しっかり滑りたい」と気合を入れていた。今季は国際大会3戦で1度も首位発進がない鬼門に対する危機感の表れだった。
 そんな中、トリプルアクセルに対する自信を取り戻したことは大きい。五輪の女子でトリプルアクセルを成功させているのは92年アルベールビル大会で銀メダルに輝いた伊藤みどりだけ。五輪のSPでの成功例はなく、浅田が今回成功すれば初の快挙となる。今季SPではまだ1度も成功していない大技を決めれば、直後に滑るキム・ヨナにプレッシャーを与え、金メダルに近づくことになる。
 「小さい頃から目標にしている金メダルを獲りたい」。ハチャトリアン作曲の「仮面舞踏会」で舞うSP。2分50秒の華麗な滑りで黄金の道を切り開く。

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2010年2月24日のニュース