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ギブアップ4敗目…カー娘、自力の決勝T進出が消滅

[ 2010年2月24日 06:00 ]

ギブアップ負けの本橋(中央)ら日本は喜ぶスイスを横目にガックリ

 日本が自滅し、自力での決勝ラウンド進出の可能性が消えた。カーリング女子1次リーグで日本代表のクリスタルジャパンは22日(日本時間23日)、06年トリノ五輪準優勝のスイスと対戦。第4エンドに大量4失点すると、4―10となった第8エンド終了時点でギブアップ負け。通算成績は3勝4敗となり、5位に後退した。23日(同24日)の1次リーグ最終日の2試合で1勝以上すれば、他国の結果次第では決勝ラウンド進出の可能性は残されてはいるが、痛恨の黒星となった。

 スキップ目黒の震えた声と、考え込む表情が無念さを表していた。「やっぱり4エンド目に4点取られたのが…。自分のショットで2点くらいに抑えられていれば、チャンスはあった」。第8エンド終了後、6点差で無念のギブアップ。相星で4位に並んでいたスイスに完敗したことで、自力での決勝ラウンド進出の可能性が消滅した。
 「より攻撃的な戦術に変えた」(目黒)という大一番。2―2で迎えた第4エンドがすべてだった。ハウスにスイスのストーン2個、日本のストーン1個の状態で迎えたサード本橋の2投目で、1度は相手ストーン2個を1度にはじき出すショットも検討したが、リスクが高いため断念。「2点ならあげてもしようがないという感覚だった」(目黒)と消極策に転じ、中心に一番近い右側ではなく左奥の相手ストーンでの失点を防ぎにいくショットを選択した。
 ここから両チームによる左サイドでの攻防が展開されたが、目黒の2投がいずれもわずかに外に流れる痛恨のミス。これが一挙4失点につながった。消極策があだとなり、悪循環の末のギブアップ。阿部監督は「ショットの選択ミス」と目黒の判断を悔やんだ。終わってみればショット成功率はスイスの86%に対し、65%。本橋は「どこか不安になりながら投げてる。自滅しちゃった感じ」とため息をついた。
 それでも、終戦したわけではない。1次リーグ最終日を残して、突破決定はカナダのみ。他国の結果次第とはいえ、1勝すればプレーオフ進出の可能性も残されている。「2勝すれば分からない。ショットを立て直して、自分たちの試合をして、結果を待ちたい」と目黒。あとは人事を尽くして天命を待つしかない。

 <ショット率で大きな差>3連敗後の4連勝となったスイスは、スキップ(主将)オットのショットが面白いように決まった。正確さを表すショット率では目黒の63%を大きく上回り、94%とほぼ満点。特に相手のストーンをはじくショットを見事に何本も決めた。08年の世界選手権では、日本のメダルを阻んで銅メダル。昨年12月の欧州選手権も2位と好調だ。38歳のオットは「まだチャンスは十分ある。準決勝に進むために残りあと2試合勝ちたい」と話した。

 <恩返しできず…>スイスのスキップを務めたオットは、日本カーリング界の恩人でもある。02年、青森県協会のラブコールを受けた国際連盟が、指導者としてオットを青森市へ派遣。熱心な指導が日本のスキルアップにつながっただけに、青森県協会の對馬忠雄会長は「優しくて、すごく親しみを感じている」と懐かしそうに目を細めた。勝利で恩返しはできなかったが、對馬会長は「日本は若さで勝ってほしかったけど、向こうが豪快でしたね」とサバサバしていた。

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2010年2月24日のニュース