【皐月賞】マカヒキ3強主役だ!無理せずはじけた52秒7

[ 2016年4月14日 05:30 ]

笑顔でインタビューに答える川田

 「第76回皐月賞」の最終追い切りが13日行われ、東西の逸材がそれぞれ順調な調整ぶりをアピールした。前走・弥生賞を制したマカヒキは坂路で充実の動き。初コンビの川田もその素質を高く評価。まずはクラシック初戦を飾り、偉大な父ディープインパクトの後を追う。なお同レースは14日に枠順が確定、15日から前売りされる。

 はじけるように坂路を駆け上がった。助手を背にしたマカヒキの最終追いは単走。ゆったりと、大きなストライドで状態を確かめるように走った。トモ(後肢)が高く蹴り上げるチップ、4F52秒7の好時計が動きの質を証明していた。友道師は「1週前にしっかりやって当週は無理をしないのはいつものパターン。でも見た目は無理をしていないのに53秒台を切るのは凄い」と驚きの表情で伝えた。

 川田とは初コンビとなるが、これまでに2回調教にまたがった名手はその素質を高く評価する。「キャンターに牝馬のような柔らかさがあって、松田博厩舎の走る牝馬に似ていると思った。体もあってこれだけトモが弾む馬はなかなか経験できない」。500キロ近い馬体を持ちながら、全く硬さのない身のこなしはまさに天賦の才。友道師も「生まれ持ったしなやかさが、最後の瞬発力につながっている」と過去3戦で記録した上がり最速の要因を説明した。

 肉体面だけではない。陣営はその大人びたメンタルにも舌を巻く。「オンとオフがはっきりしていて、他の馬にはない精神力を感じる」と指揮官。関東初遠征だった前走・弥生賞(1着)は装鞍所に入る直前まで馬房で睡眠。レースでも掛かり気味のライバルたちとは対照的に冷静に後ろからポジションを押し上げていった。トレーナーは「これまでも落ち着いて多くの初めてをクリアしてきた。多頭数など今回も初めて経験することがあるけど、この子なら大丈夫でしょう」と愛馬への厚い信頼を示した。

 同馬にサトノダイヤモンド、リオンディーズを加えた“3強”について問われた川田は「世代的なレベルの高さを凄く感じる。それでもマカヒキは素晴らしい馬だし、一番いい結果を残せればいいと思う。3強の中では一番後ろからの競馬になるんじゃないかな」と静かに闘志を燃やす。

 新馬→若駒S→弥生賞の臨戦過程は、父ディープインパクトが歩んできた道。「たまたまローテが同じだっただけだが、偉大なお父さんの後を追っている。少しでも近づけるように頑張りたい」と師。ローテーションだけではない。父譲りの能力で、その軌跡をたどり続ける。

 ▼馬名の由来 古代ハワイの収穫祭を意味する。4カ月のマカヒキの期間中は争いごと、家事を除く一切の労働が禁止された。日々のおきてからも解放され、ハワイの人々にとって大切な期間だった。

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2016年4月14日のニュース