【皐月賞】歴戦の古馬の風格漂うマジェスティ

[ 2016年4月14日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=13日】ディーマジェスティの追い切りを終えた主戦・蛯名が感心したようにその後ろ姿を見つめている。「バタバタ余計なことを一切しないんだ。この時期の3歳馬にしては大したもの。古馬っぽいよね」。威風堂々とした歩様。馬道ですれ違った梅崎の目にも歴戦の古馬のように映った。

 Wコースの追い切りで見せたのも大人の走り。気負いもなく、エディクト(3歳500万)、ショウナンマルシェ(5歳1000万)の3馬身後方からストライドをゆったりと伸ばしていく。直線で蛯名の手綱が緩んだ途端に四肢が弾んだ。馬なりのまま内から馬体を並びかけた。デビュー4戦ともメンバー最速の上がりをマークしたディープインパクト産駒らしい末脚。ラスト1F12秒3の瞬発力で併入に持ち込んだ。

 「反応がいい。馬体には成長する余地があるが、100%じゃなかった前回を思えば順調に来た」と蛯名。前回の共同通信杯(1着)はフレグモーネでホープフルS出走取消後の一戦。左後肢の患部に腫れを残したまま調整せざるを得なかった。「今度は(2カ月と)十分間隔を空け、馬の状態に合わせてじっくり調整できた。完成するのはまだ先だが、現状の力は出せる」と二ノ宮師。距離の1F延長にも手応えをつかんでいる。「前走は馬場が悪くて4角手前から追い出したが、最後まで脚を使った。ゲートは散漫でも持久力がある。牝系(血統)から長い距離にも対応できそうだ」と続けた。

 西の“3強”と初対決する大一番。「ひと筋縄ではいかない相手。能力と上昇度でどこまでやれるか」。蛯名は慎重な口ぶりだが、3強打倒の材料はもうひとつ。歴戦の古馬のような落ち着きだ。

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2016年4月14日のニュース