【宝塚記念】ゴールド金字塔予感十分!史上初JRA同一G1・3連覇へ

[ 2015年6月25日 05:30 ]

ウッドチップを巻き上げながら、アドマイヤランディ(右)と併せて追い切るゴールドシップ

 春のグランプリ「第56回宝塚記念」の追い切りが24日、栗東トレセンで行われた。史上初のJRA同一G1・3連覇が懸かるゴールドシップは坂路の併せ馬で最終追い。僚馬アドマイヤランディと併入だったが、その気分良さそうな走りに手綱をとった横山典弘(47)は満足そうな笑み。前走時とは一変した精神面の安定ぶりで好仕上がりをアピールした。また、同レースの出走馬、枠順は25日に確定する。

【宝塚記念】

 ガラリ一変、とはこのこと。1週前追いに続き、この日もゴールドシップがやんちゃな振る舞いを封印。ウオーミングアップから追い切り、そして上がり運動と課されたメニューをおとなしくこなし、大事な1日を終えた。馬上の横山典は緊張感を保ちながらも満面の笑み。この表情がすべてを物語っていた。

 「先週もお利口さんだったけど、きょうもリラックスして落ち着いていた。たまたま機嫌が良かっただけじゃないかとも思うけど、すこぶる順調。何も心配してないよ」

 その追い切りも実にスムーズ。先行するアドマイヤランディ(4歳1000万)をリードホースにして坂路へ。序盤の2Fを14秒7、13秒7で通過。残り2Fで軽く仕掛けられると一気に取りつく。舌こそ出していたが馬体をピタリと併せたことで、前向きさを保ったまま併入フィニッシュ。ラスト2Fも12秒3→12秒2と上々の時計を刻んだ。

 「滑らかにスーッと行ったね。岡部さん(幸雄元騎手)の言葉じゃないけど、G1馬は普通でいい。動きは悪くないし、気分も悪くなさそうだし、十分なんじゃない」と横山典は合格点を与えた。

 前走の最終追い当日は、上がり運動中に目の前を歩く牝馬を見て興奮。何度も立ち上がって、横山典や今浪厩務員を手こずらせたが、この日はまるで別馬。須貝師は“激変”の要因に調整過程の違いを挙げる。

 「天皇賞は一度使わない方向だったのを、急に戻して使ったからね。その点、今回は日程的に余裕を持って調整できた。その分、シップも機嫌がいいんじゃないかな」

 少なくとも、現時点では走ることへの前向きさがある。そこは携わる誰もが認めるところだ。しかし横山典は楽観視していない。なぜなら、ゴールドシップが「その時にならないと分からない馬」だからだ。

 「阪神は絶対走ると言われるけど、そんなに甘くないと思うよ。逆に自分は京都の天皇賞でも大丈夫と思っていたしね。ゴーサインを出した時に行くかどうかは彼次第。一筋縄ではいかないけど、俺もゴールドシップを応援するし、ファンにも応援してほしいね」

 幾多のビッグレースを制してきた名手は常々“大きいレースになると見えない力が働く”と口にする。史上初のJRA同一G1・3連覇へ、ファンの声援が何よりの後押しになる。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月25日のニュース