【大井・帝王賞】断然人気ホッコータルマエ貫禄V!G1最多9勝

[ 2015年6月25日 05:30 ]

1着でゴールするホッコータルマエ(手前)と2着のクリソライト

 上半期のダート最強馬決定戦「第38回帝王賞」が24日、東京・大井競馬場で行われ、単勝1・5倍の断然人気となったホッコータルマエが貫禄のV。ヴァーミリアン、エスポワールシチーと並ぶ歴代最多タイのG1・9勝目を挙げ、ドバイワールドC遠征(5着)からの帰国初戦を飾った。重賞制覇は13度目で国内G1に限れば4連勝となった。

 向正面で王者が悠然と動いた。5番手から3番手の外に取り付いたホッコータルマエ。3角先頭から粘るクリソライトを直線残り200メートルで捉えた。グッと前に出る。拍手の中、ゴール。2着馬とは3/4馬身差だが、もっとあったように感じた。ヴァーミリアン、エスポワールシチーに並ぶ、最多タイのG1・9勝。快挙はあっさりと達成された。

 幸は明るい表情で馬を称えた。「ハナに行くことも考えたが、他馬が主張してきたので、あのポジション。僕の悪い癖で早めに前をつかまえに行ったので、(馬は)気を抜いたけど余力はあった。負けるわけにはいかないのでホッとした」。悪い癖と分析したが、もちろんそんなことはない。あのタイミングで動いたからこそ勝利があった。

 昨年はドバイワールドCで最下位16着の後、体調を崩して帝王賞には出走できなかった。今年は同レース5着の後、わずか3カ月で再び王者の貫禄を示した。肉体的、精神的に昨年とは比較にならないほど充実していることを証明した。帝王賞は一昨年も圧勝。2度目の制覇は地方の名馬チャンピオンスター(88、91年)、フリオーソ(08、10年)に次ぐ史上3頭目となった。

 「日々成長」。西浦師は現在の同馬を一言で表現した。「幸君が馬を信じ、タルマエの強いレースをしてくれた。やっと(歴代G1最多勝に)並んだ。もうひとつ足せるよう秋に向けてやっていきたい」。この後は放牧。舞台も同じ大井2000メートルで11月3日に開催されるG1・JBCクラシックで史上初の快挙に挑む。

 ◆ホッコータルマエ 父キングカメハメハ 母マダムチェロキー(母の父チェロキーラン) 牡6歳 栗東・西浦勝一厩舎 馬主・矢部道晃氏 生産者・北海道浦河町の市川ファーム 戦績31戦16勝(南関東8戦7勝、海外2戦0勝) 総獲得賞金9億6134万1800円。

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