【宝塚記念】ブエナビスタ“待ってた”偶数枠

[ 2011年6月24日 06:00 ]

坂路をキャンターで駆け上がるブエナビスタ

 「第52回宝塚記念」の枠順が確定した。ブエナビスタは4枠8番、ルーラーシップは2枠3番と有力2頭は共に好枠を引き当てた。

 昨秋から続く負の連鎖を止めるのに絶好の枠だ。出馬投票所で8番を確認したブエナビスタの松田博師は、そんな心境だったに違いない。取り囲む報道陣に明かしたセリフに、偽らざる本音がにじみ出ていた。

 「今まで偶数枠なんか引いたことないやろ?一番いいとこちゃうか。まあ、競馬がしやすいかどうかは分からんけどな」

 思わず発したこのセリフに、忌まわしい過去を振り払いたいとの思いが見え隠れする。実際のところ過去19戦で偶数馬番が8回もある。だが最近に限れば、ヴィクトワールピサに鼻差届かなかった有馬記念2着(7番)→ドバイワールドC8着(13番)→ヴィクトリアマイル2着(13番)と3戦連続で奇数馬番。勝ち切れない状態と、奇数馬番が重なって思えたからこそ、ついこんな言葉が出たのだろう。指揮官の顔に安どの笑みが浮かんだのも当然だ。

 もちろん枠だけで全ての不安が消えたわけではない。G1・5勝は東京が3回、阪神外回りが2回と直線の長いコースばかり。春秋グランプリは、3歳の有馬記念から3戦連続で2着と悔しい結果が続いている。それでも松田博師は「G1を使うのに、あれが駄目、これが駄目とは言えんやろ」と一笑に付した。出走する以上は言い訳なし。指揮官のブエナビスタへの信頼は揺るぎない。

 追い切り翌日はいつも通りのメニュー、坂路1本を元気に駆け上がった。馬体はピンと張り詰め、気合がみなぎっている。主役はやはりこの馬だ。

続きを表示

2011年6月24日のニュース