【中山金杯】“気力充実”ドウソジンに初夢託す

[ 2011年1月4日 06:00 ]

坂路で追い切るケイアイドウソジン

 駅伝は山の神、金杯は「道の神」に託せ。新春の名物重賞「第60回中山金杯」の追い切りが3日、美浦、栗東両トレセンで行われ、同日午後に出走メンバーも確定した。前走・ディセンバーSを勝ったケイアイドウソジンは坂路でしなやかな動き。指示通りのラップでの登坂に田村康仁師(47)も驚きの表情だった。美浦の道祖神が初夢をかなえる。

 これは春から縁起がいい。追い切り前に田村師が「4F54秒で」と指示を出したケイアイドウソジン。坂路の2本目、単走で軽快にラップを刻み、余力十分にゴールを駆け抜けると、表示された時計はジャスト54秒0。初重賞制覇に向け、これ以上ない形で最終追いをクリアした。
 「ぴったりだ。この馬は60秒と指示すれば60秒で上がってくるし、54秒と言えば寸分たがわず54秒で来る。馬、そして担当者の気力が充実しているからこそだろう」と田村師は目を細めた。「年末にそこそこやっているので、この程度でOK。状態がいいのでオーバーワークだけは避けたかった」と解説した指揮官。この雰囲気の良さなら好調はキープできただろう。
 3歳の春に池江郎厩舎から転厩して来たドウソジン。今年2月いっぱいで定年引退する偉大な調教師から「何としてもオープン馬にしてください」とのメッセージをもらった。重圧は大きかったが着実に成長させ、ついに前走でオープン勝ちを果たすに至った。「池江厩舎にいた方が良かったと言われてはいけない。頑張ることが池江先生への恩返しと思っていた」。田村師は感慨深げに語った。
 馬自身の成長も見逃せない。体つき、バランスが良くなり、楽に走れるようになった。それに呼応してハミの受け方も良くなった。精神面も充実し、適度な気合を常に保てるようになった。
 前走・ディセンバーSは、その成果といえる強い競馬。2番手追走から直線ですぐに先頭へ。レッドシューターが迫ったが半馬身差から、どうしても詰め切れない。着差以上の余裕があった。「ハンデ(56キロ)は前走を高評価してもらえたものと受け止めている。オープン勝ちだけでなく、もっと上を目指したい」。指揮官は初夢をドウソジンに託した。

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2011年1月4日のニュース