365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1975年7月】うぐいすだにミュージックホール/鶴光最高!なつかしのストリップ劇場

[ 2011年7月17日 06:00 ]

77年当時、ラジオのパーソナリティーで大活躍した落語家の笑福亭鶴光
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 ★75年7月ランキング★
1 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
2 シクラメンのかほり/布施明
3 心のこり/細川たかし
4 十七の夏/桜田淳子
5 夏ひらく青春/山口百恵
6 夕立のあとで/野口五郎
7 千曲川/五木ひろし
8 うぐいすだにミュージックホール/笑福亭鶴光
9 いつか街で会えたなら/中村雅俊
10 僕にまかせてください/クラフト
注目想い出まくら/小坂恭子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【うぐいすだにミュージックホール/笑福亭鶴光】

 イギリスのエリザベス女王夫妻が初来日し、日本復帰3年目の沖縄で海洋博覧会が開催される直前の昭和50年5月25日、上方の超売れっ子落語家、笑福亭鶴光によるキワモノの“コミックソング”が発売された。

 まさに昭和の歓楽街の王道を行くストリップ劇場の典型的なシーンを切り取ったレコードは、オリコンチャートでは最高14位止まりだったが、関西の有線放送を中心に大ヒット。ラジオのDJなどレギュラー13本を抱えていた鶴光は、そのメチャクチャ人生ぶりをつづった著書「かやくごはん」のベストセラーに続いて、レコード売り上げ20万枚を記録するスマッシュヒットを飛ばした。

 「紳士の社交場 娯楽の殿堂」ストリップ劇場の呼び込み兼司会のトークの“決まり文句”とともに、ストリッパーにがぶりつく客の様子や踊り子の描写が哀愁を帯びて描かれる。「七色のバタフライ」という妖艶な言葉まで出てきてこれが聴いていて抱腹絶倒もの。いまや風俗としては“文化遺産”のようになってしまったストリップの古き良き時代をもの悲しくも、明るく表現している。

 師匠の笑福亭松鶴には激怒され、一度破門を言い渡されながらもラジオでの下ネタ人気は抜群。特にニッポン放送の「オールナイトニッポン」では数々の名物コーナーでリスナーの支持を得て、“お世話になった”男子学生は数限りない。影響を受けた芸能人も多く、同じく「オールナイト…」で番組を持つことになった俳優の福山雅治も鶴光を「しゃべりの師匠」としてあがめていた。

 中学時代の新聞配達に始まり、高校時代はセーラー服のアイロンがけ、探偵事務所、仕出し弁当の配達、鉄工所勤務に廃品回収、百貨店のふとん売り場の店員とさまざまなアルバイトを経験。高1の時、テレビの「素人名人会」の落語チャンピオンになったことが、お笑いの世界へ入るきっかけになった。若者を魅了したエロトークで一世を風靡した落語家は、60歳を過ぎ原点の高座を中心に活動している。

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