365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1991年7月】どんなときも。/槇原敬之 人生の応援歌は自らを励ます歌だった

[ 2011年7月2日 06:00 ]

「どんなときも。」でブレークした槇原敬之(写真は04年のコンサートから)
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 ★91年7月ランキング★
1 あなたに会えてよかった/小泉今日子
2 どんなときも。/槇原敬之
3 BELIEVE IN LOVE/LINDBERG
4 ネオ・ブラボー!!/サザンオールスターズ
5 BEAT EMOTION/布袋寅泰
6 真夏のトレモロ/Wink
7 情けねえ/とんねるず
8 はじまりはいつも雨/ASKA
9 夏が来た!/渡辺美里
10 It’s my JAL/KATSUMI
注目Happy Birthday/横山知枝
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【どんなときも。/槇原敬之】

 バブル景気が崩壊しつつあった91年夏。所属事務所もなかった22歳の青山学院大1年生は一躍“時の人”になった。

槇原敬之3枚目のシングル「どんなときも。」がヒットチャートを急上昇。「どんなときも どんなときも」のリフレインはインパクトがあり、悩み多き若い男女のハートをぎゅっとつかんだ。

 織田裕二ら当時のトレンディードラマに出演していた人気俳優を一堂に集めた映画「就職戦線異状なし」の主題歌であり、ケンタッキーフライドチキンのCMソングにも起用されたこともヒットの要因ではあったが、やはり等身大の自分を描いた歌詞が共感されたのが167万枚のセールスにつながった。バンドブームがかげりをみせ、ノリのいいダンサンブルなナンバーよりもミディアムテンポでも、歌詞を味わいながら曲を聞く方向に時代は変わっていった。

 この歌に励まされたという人は一人や二人じゃないだろう。が、曲を作った本人は人を励ますどころか、この時自分のことでいっぱいいっぱいだった。

 音楽関係者から映画の主題歌の依頼があった際、槇原は大学の合格発表を待っている最中だった。すでに三浪中の身。二浪の時点でプロの歌手としてデビューはしていたが、親に迷惑をかけた手前、せめて大学だけは合格しなければ、という思いが強かった。「若者たちの応援歌を」というオーダーだったが、「自分への応援歌。大学受験がどんな結果になっても僕は僕らしく、という思いを込めた」。

 曲の構想を練るために入っていた喫茶店を出た瞬間に思い浮かんだ言葉が「どんなときも」。すぐに道を歩きながらメモ書きし、同時に浮かんできたメロディーも忘れないように書き留めた。

 なんかありきたりでパッとしない言葉、ほかに何かないか?考えを巡らしたが、結局は「どんなときも」に戻ってしまう。思い切ってこれで行くことに決意したころ、大学合格の通知が届いた。

 その後、数多くのヒット曲を連発したのは言うまでもないが、私的な空間を切り取って歌にしていた90年代から、仏教に興味を持ちだした21世紀は「人生そのもの」にスポットを当てた歌が多くなった。SMAPが歌った「世界で一つだけの花」はご存知槇原の作品。「人と比べて幸せかどうかを決めるのではなく、自分の内側から幸せと感じられる時代になってほしい」という願いを込めた一曲だった。

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