谷口キヨコ ご先祖様を感じ、生死を考えるお盆…とりあえず私はいまの「こっち」で頑張っとこ

[ 2023年8月16日 14:46 ]

西の空があまりにキレイだと『極楽浄土』のことを思い出します。だって西方でしょ
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【谷口キヨコのごきげん!?SOLOライフ】 お盆でしたね。実は2023お盆まっただ中に、これを書いてます。

 お盆てやっぱり一年で一番ご先祖様を感じる日々ですよね。うちは父が次男ということもあってか、お仏壇がありません。祖父母が亡くなってからは二人の写真を置いて、そこに手を合わせていました。お墓参りに行くと「この下にお骨があるんやなあ」とあまりのリアルさにちょっと怖くなったりもします(不謹慎ですかね…)。

 お墓に刻まれている知ってる名前、知らない名前を見て「これが親戚とかご先祖さんなんやなぁ。会ったことなくてもなんかつながってるんやなぁ」と感慨深くなります。地下に眠っている人たち=ご先祖様はどんな風に生きて、どんな風に死んでいったのでしょうか。

 ふわーっと『ご先祖様』と考えると、私は正直そんなに興味はわかないのですが、一人一人の人生と捉えるとがぜん興味がわいてきます。

 うちの家系は有名人は全くおらず、お百姓さんをしていた人がほとんどだそうです。なので、テレビでやってる『ファミリーヒストリー』的なトピックもたぶん全くなくて…華やかさとは正反対の地味~な一家。でも、一人一人にスポットライトをあててその人生や考えてたことを聞いてみたら、かなりおもしろいんちゃうか、と。

 浮気してたおじさんや、実は子育てに心底疲れてるおばさんや、近所の人とうまくやれずに悩むおじさんとか…それぞれの言い分や思いはバラエティーに富んでいて、ご先祖だからって私とは全然違う価値観や考え方の人もいるんやないか、と。

 そう考えると、一人の人間が生きて死ぬって、時代が変わってもそういうことなんかなって。いろいろあるけど、ただ懸命に生きること。子供を産んで育てることが、後世に残すことができる一番ポピュラーなこと。それ以外のことで何かを残せる人なんてほんの一握り。

 私は子供がいないから、そのどちらも残せない。でも、誰かのご先祖様の端くれではあると思います。自分が誰かのご先祖様だからって一生懸命生きてるわけではないけれど、それぞれの置かれた状況の中で必死にもがいて生きる、生き抜くことが誰かのご先祖様として私のできることなんかなと思います。

 そんなこと言いながらもやっぱり怖くなるんですよ。ベタに思う「死んだらどこにいくんかな、どうなるんかな」って。今、わたしたちが存在するこの世からいなくなることは明らかなんやけど、死んだら死んだで『あっち』の基準に合わせてやっていくんちゃうかなって思います。それは『こっち』のわたしたちが誰も経験してないから知らないだけで。

 そんなに心配しなくても『こっち』には『こっち』の、『あっち』には『あっち』の基準があるんちゃうかな。『こっち』の自分が案じなくても『あっち』の自分はご機嫌にできるんちがうかな~。私の知らないご先祖様もそうしてるんじゃないかと。とりあえず私はいまの『こっち』で頑張っとこ。

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