羽生九段 王将戦タイ勝から一夜…「寝起き姿」披露だピョン 侍ジャパンに「頑張ってほしい」

[ 2023年2月12日 05:10 ]

第4局勝利から一夜明けた羽生九段。パジャマ姿にもウサギ愛(撮影・西尾 大助、小海途 良幹、河野 光希、藤山 由理)
Photo By スポニチ

 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第4局(9、10日=東京都立川市)で2勝目を挙げた羽生善治九段(52)が11日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表にエールを送った。この日は恒例となった「勝者の記念写真」にも再び挑戦。リラックスした姿を披露した。

 最強棋士の呼び声高い藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に貫禄勝ちしてから一夜明け、撮影に臨んだ羽生はウサギ耳のヘッドバンドを装着して「寝起き姿」に挑戦。眼鏡を外した素顔のまま、なぜかグラビアアイドルの撮影のような進行に「私の年齢で意味あるんでしょうか?もう50代なんですけど」と大笑いしながらポーズをつくる。緊張感から解き放たれた姿がそこにあった。

 快勝の表現がふさわしい前夜の勝利に「実は封じ手の前に2筋の歩を突いているのが悪い手だったみたいで」と省みることも忘れなかったが、終始笑顔で表情は柔らかい。タイトル通算100期はもちろん、14期ぶりの王将位奪還まであと2勝。「14年前ですか。7年前の挑戦すらもずいぶん前のような感覚なので、なんだかずいぶん昔のような気がします」と感慨深く振り返る。

 14年前といえば09年。深浦康市王位(当時)を相手に4勝3敗のフルセット勝利で防衛した3月は、第2回WBCで日本が連覇し、国内が大いに沸いていた。決勝の韓国戦でイチロー(マリナーズ)が決勝打を放ったシーンは、羽生の記憶にも刻まれているという。興味深いことに、06年の第1回大会優勝時も佐藤康光棋聖(当時)と第7局までもつれ込んだシリーズを制し、タイトルを守っている。

 つまり、羽生の王将戦制覇とWBC日本優勝は連動率100%だ。そして今年はWBC開催年。日本は羽生とともに14年ぶりの頂点を狙う。

 「日本代表、頑張ってほしいですね!」

 侍ジャパンに声援を送った羽生。少年時代は野球中継を観戦するのが習慣で、友人たちと「草野球的な遊びはよくしました」と明かす。広島カープの真っ赤な帽子をかぶって大会に出場していたのは有名な話。特定球団のファンではないものの「WBCは地上波放送があるんですか?」と興味津々だ。

 藤井とのシリーズ成績は2勝2敗。よって第6局(3月11、12日=佐賀県上峰町)開催が確定している。WBCの激闘と時を同じく王将戦の熱戦が展開される春うららの弥生3月。14年ぶりのダブル歓喜、実現なるか。

続きを表示

この記事のフォト

2023年2月12日のニュース