羽生善治九段「最後も怖かった」も藤井王将から通算2勝目「ちょっとホッとしています」1勝1敗のタイに

[ 2023年1月22日 18:12 ]

<第72期王将戦 第2局第2日>対局に臨む羽生九段
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 将棋の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に羽生善治九段(52)が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第2局は21、22日の両日、大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉・山水館」で指され、羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に101手で勝利。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決で、羽生九段が反撃の1勝をつかみ取った。

 羽生九段は会心の一局を終え、中盤から終盤にかけての攻防は「ちょっと攻めが細い形なんで、あまり自信がなかったけど…他の手も見つからなかったので本譜を。ちょっと、何か受け間違えるとすぐ負けそうな局面なので慎重に指した。ギリギリだと思ってやっていた」と語った。(勝ちの)目が見えてきたのはいつか問われると「最後も怖かったんですけど、何かあったらしょうがないと…詰まなくて良かった」と藤井王将の10連続王手という最後の猛攻を冷静に分析。4連敗中、1勝8敗で迎えた今局で藤井王将から待望の2勝目を挙げ「一つ結果が出て良かったと。(いままでは)内容も伴っていなかったので。ちょっとホッとしています」と少し表情を崩した。

 前人未到のタイトル獲得通算100期へ。シリーズ初勝利を挙げ1勝1敗のタイとした羽生九段は次戦に向けて「いい将棋が指せるように、自分なりに調整したい」と話した。

 羽生の深い研究が光った一局だった。相掛かりの出だしから、互いの出方を見つつ慎重な駒組みが続く。穏やかな進行になるかと思われたが、羽生が指した45手目▲2五飛以降、流れが一気に急速に。59手目には▲8二金の絶妙手も飛び出し、攻めをつなぐ羽生。受けの力が求められる展開になった藤井は74手目△7七銀で攻めに転じ勝負に出たものの、羽生が落ち着いた指し回しで回避。1勝1敗のタイに戻した。

 次戦の第3局は28、29日の両日、石川県金沢市の「金沢東急ホテル」で行われる。

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