東海林里咲 RIZINガール卒業後の新天地 「素の私で新しい一面を」

[ 2022年9月1日 08:00 ]

RIZINガールとしてリングで輝いた東海林里咲(提供写真)
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 【牧 元一の孤人焦点】格闘技大会の花、RIZINガールとして3年間活躍した東海林里咲(25)がこの夏、卒業した。

 取材に応じた東海林は「楽しかった。卒業することに寂しさもあったけれど、ずっとここにいたら甘えてしまって成長できないと思って決断しました。やり切りました。全うして卒業しました」とほほえんだ。

 RIZINガールになったきっかけは、2018年の大みそかに山形県の実家のテレビで、プロボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーとキックボクシングの那須川天心の戦いを見て心を動かされたことだった。

 「あの戦いを見ていなかったら、今のように東京で暮らしていることもなかったと思います。あの頃、まつげエクステのアイリストとして、20代のうちに自分の店を開きたいと思っていたので、もしもRIZINガールになっていなかったら、あのまま山形で自分の店を開くために頑張っていたでしょう」

 RIZINが自らの人生を変えたが、自らもRIZINに効果を及ぼした。格闘技ファン以外の人々が、ラウンドガールとして活躍する東海林の姿に注目して大会に興味を抱くことがあったからだ。

 「『“りさぽん”でRIZINを知って好きになった』と言ってくださる方々がいました。私を見るために全国各地の会場までついて来てくださる方々もいて、本当にありがたかったです。ファンのみなさんがいてくれたから、私はここまで来ることができました」

 卒業を考え始めたのは3期目に入った昨年9月以降。既に先輩として後輩メンバーをまとめる重責を担う立場になっていた。

 「卒業したら寂しくなるので迷いもありましたけど、RIZINのファンの方々に知って頂き、大みそかの大会にも出させて頂き、地上波にも出させて頂き、今年6月の『THE MATCH』では超満員の東京ドームも経験させて頂きました。これ以上ラウンドガールを続けて何か吸収できるものがあるのか…?もっと違うところで勉強した方がいいんじゃないか…?そう考えて決めました」

 卒業とは本来、その場から去るものだ。ところが、東海林の場合、そうはならなかった。ラウンドガール以外の仕事での存続。新天地は本人とRIZIN側がともに望むものだった。

 「今回は配信のお手伝いをさせて頂きます。まだまだ打ち合わせの段階ですけど、選手やセコンドの話を聞いたり裏側の様子をみなさんにお伝えするお仕事ができたらいいなと思っています。これまでは私が話すところをお見せする機会があまりなかったんですけど、今度は話す方で頑張ってみたい。配信を通じてみなさんに少し近づいて、親しみを感じて頂ければいいなと思います。素の私で新しい一面を出していきたい。私の人生を変えてくれたRIZINにまた関われるのがうれしいです」

 それはファンにとっても喜ばしいことだろう。そして、今後はRIZIN以外でもその姿を見る機会が増えるかもしれない。

 「いろんなものを見て、いろんなものを吸収していきたい。レースのお仕事も今まで通り頑張っていきますし、CMや広告のお仕事もオーディションを受けて勝ち取っていきたい。一つ一つのお仕事を大切にして、その先に、演技のお仕事もできたらいいなと思っています。私の名前を聞いて『ああ、あの子ね』と分かってもらえるくらいの活動ができれば最高です。それがRIZINへの恩返しにもなりますから」

 リングで咲いた花はこの秋からさらに華やかさを増しそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年9月1日のニュース