世耕弘成氏「いろんな顔を持っていた人」 兄であり師匠と慕う安倍晋三元首相を悼む

[ 2022年7月11日 11:55 ]

 自民党の世耕弘成参院幹事長(59)が11日、日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜前8・00)に出演。8日に奈良市内で銃撃され死亡した安倍晋三元首相(享年67)との思い出を語った。

 安倍元首相を「兄であり師匠」と慕い、公私ともに親交が深かった世耕氏は「はっきり言ってまだ気持ちの整理が付かないというかですね、何でこんなことになっちゃったんだろうという思いでいっぱいですね」と率直な心境を明かした。

 世耕氏は安倍元首相について「一言で言えないですね。いろんな顔を持っていた人。例えば私はずっといろんなレクチャーをご一緒してました。役人、官僚から説明を受ける時ですね、声を荒げるなんて絶対ない人でした。たとえ自分と違う意見、説明を受けたとしても“自分の考えと違うからもう一回考えてくれないか”と、静かに対応する人。だけど、一方で国会答弁だと野党のヤジにムキになって反論したり、いろんな顔を持ってる人」と振り返った。

 そして「強烈に印象に残っているのは2013年の特定秘密保護法の時、私、官房副長官でした。参議院に法案が送られて野党の抵抗がすごいと。“これを無理に通してしまうと支持率が10ポイントぐらい落ちますよ。もし、アレだったら次の国会まで継続審議でやったらどうでしょうか”と言ったんですが、珍しく安倍さんに怒られまして、“何を言ってるんだと、国のために絶対やらないといけない法律で自分の内閣支持率10%ぐらい飛んだって構わない。絶対この国会で成立させろ”ってことを言われました」と回想した。

 さらに「平和安全法制の時も最後3日間ぐらい徹夜になったんですね。安倍さんから当時言われたのが、国会の周りをデモ隊5万人ぐらいに囲まれてる中で、“絶対けが人を出さないように警察としっかり連携しろ”と。あと、ちょうどシルバーウイークの3連休が控えていた。そこだと沢山の人がデモ隊に参加してけが人が出るリスクが高まるから、その前に採決をして決着をつけるという指示が出ました」と紹介した。
 
 様々な意見や反対行動がある中で安倍元首相が揺らがなかった理由については「信念。ただ、一次政権でいろいろ学ばれたんだと思います。信念はあるけど、現実的に対応される。特に順番とか非常に慎重に考えられた」と語った。

 一方で、森友学園や加計学園など、いわゆる「モリカケ問題」に関しては「何か安倍さんが指示を出したりとか、あるいは何か利益を受けたりは何も出てきてないわけですよね。忖度をさせた責任というのは本当に難しいですよね。大変この問題は苦しまれたと思います」とした。

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2022年7月11日のニュース