落語界初の“東大卒”真打ち誕生!春風亭昇太の弟子・昇吉41歳「賢いエピソードは山ほど」

[ 2021年2月16日 05:30 ]

真打ち昇進披露会見に出席した(左から)春風亭昇吉、師匠の春風亭昇太
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 今年5月上席から昇進する落語芸術協会の真打ち4人のお披露目会見が15日、都内で行われ、春風亭昇吉(41)が落語界初の東大卒真打ちとなった。

 芸協会長の春風亭昇太(61)門下から初めての真打ちとなった昇吉。昇太は2007年の入門時を振り返り「どこ出たの?と聞いたら“東大です”と言われ、頭のおかしい人が来たと思った」と笑って紹介。昇吉は「賢いというエピソードは山ほどある」と胸を張った。入門後に気象予報士の資格を取得。昇太は「下積み時代は時間があるから、気象予報士取ってきたら?と勧めたら、ほんとに取ってきた。やっぱ違うなと思った」と目を丸くした。京大出身の落語家は桂福丸(42)、笑福亭たま(46)がいるが、昇太は「入門した人はいるみたいですが(東大卒の)真打ちは初ですね」と話した。

 昇吉は地元の岡山大を卒業後、23歳で東大文科2類に入学。07年に経済学部経営学科を卒業した。落語研究会では、学生落語の日本選手権にあたる「策伝大賞」の06年大会で優勝。ボランティア活動も評価され、07年にはとりわけ優秀な学生に贈られる「東京大学総長大賞」を受賞した。上位2%のIQ(知能指数)を持つ人が参加する国際組織の日本支部「JAPAN MENSA」の元会員。TBS「東大王」などクイズ番組でも活躍している。

 金融系企業などへの就職も考えたが、大会優勝を機に落語家になると決意。東大卒業後、即座に門を叩いた。報道陣から「なぜ落語家を選んだのか」と質問が飛んだが「単純に(落語が)好きだった」とキッパリ。「同期の飲み会でも“生活できるのか?”と聞かれるが、憧れの師匠と同じ高座でできるとか、そういう体験がかけがえのない財産」と話した。昇太は「東大卒の肩書が落語家に必要かといえばそうじゃないけど、面白い存在になれば」とエール。落語界の最高峰へ、つかみはOKだ。

 ◆春風亭 昇吉(しゅんぷうてい・しょうきち)本名国枝明弘(くにえだ・あきひろ)。1979年(昭54)10月29日生まれ、岡山県出身の41歳。07年に入門し、11年に二つ目昇進。15年に「第1回若手演芸選手権」で優勝。18年からは放送大学で「人生が愉しくなる落語学」の講師を務める。趣味は日本舞踊、海外旅行など。

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