“レジェンド”が選ぶ今年の漢字は「難」「勁」「変」 佐藤康光九段「皆さんに助けられた一年」

[ 2020年12月7日 20:11 ]

第3回AbemaTVトーナメントスピンオフ企画に出場する佐藤康光九段(中央)、谷川浩司九段(右)、森内俊之九段(左)は「2021年」の指文字に挑戦
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 日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(51)は7日、来年1月1日にインターネット放送のABEMAで放送される「第3回AbemaTVトーナメント スピンオフ所司一門VSレジェンド」の対局収録に参加した。番組で「レジェンド」としてチームを組む谷川浩司九段(58)、森内俊之九段(50)とともに取材に応じ、自身が選ぶ今年の漢字1文字を発表した。

 佐藤が選んだのは「難」の一字。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、タイトル戦を含む対局の延期、イベントの中止など、さまざまな決断を迫られた。「多くの人が、コロナという何も分からないものに対して立ち向かうことが求められた。将棋連盟のかじ取りという面でも難しい一年だった」とし、「将棋に携わっているすべての皆さんに助けられた一年だった」と感謝の気持ちを込めた。

 谷川は、後漢書の故事「疾風に勁草を知る」から「勁」の字を選んだ。「勁は強い草という意味で、阪神大震災を経験した時に書いていた言葉。困難に出会った時にその人の真価が問われるという故事で、最近も色紙などに揮毫するようになった」と思いを込める。森内も新型コロナ関連から、「世の中の価値観が変わってきていると思う」と「変」の漢字を挙げた。

 本日収録が行われた「第3回AbemaTVトーナメント スピンオフ所司一門VSレジェンド」放映日には2021年を迎える。佐藤はコロナ禍における「ファンとの交流方法が課題」とし、「感染症対策は充分に取りながらも、積極的に(交流イベント開催に)取り組んでいきたい」とうなずいた。

 森内は「2021年は変革の年」と展望。「将棋界の仕組みも新しい試みがなされていくと思う。盤上のことについても革新的な技術が生まれているのでどんどん棋力が伸びる分、誰にでもチャンスがある時代になると思う。今まで名前が出ていなかった人がトップに登り詰めるもおかしくない。何が起こるか分からない、楽しみな年になると思う」と新星の誕生を期した。

 谷川は、「4強と言われる現タイトルホルダー(渡辺王将=名人、棋王との3冠=、豊島竜王=叡王との2冠=、藤井2冠=王位、棋聖=、永瀬王座)は、タイトル戦が“日常”となった。でもこの4人でトップが固定されるのは面白くないし、他の20代棋士にも奮起して割って入ってくる人が出てきてほしい」と後輩棋士の発奮に期待していた。

 将棋の早指し王を決定するオリジナル対局番組「第3回AbemaTVトーナメント」のスピンオフ企画、「第3回AbemaTVトーナメント スピンオフ所司一門VSレジェンド」は、2021年1月1日午後6時からABEMA将棋チャンネルで配信される。

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2020年12月7日のニュース