「麒麟がくる」川口春奈 不安の中も…飛び込んだ初大河に充実感「毎日勉強、毎日発見」反響も実感&感謝

[ 2020年3月8日 05:00 ]

「麒麟がくる」川口春奈インタビュー

大河ドラマ「麒麟がくる」で時代劇に初挑戦している川口春奈(C)NHK
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 女優の川口春奈(25)がNHK「麒麟がくる」(日曜後8・00)にレギュラー出演。時代劇初挑戦&大河ドラマ初出演ながら、凛とした存在感を発揮し、反響を呼んでいる。8日放送の第8話は、川口演じる帰蝶が織田信長(染谷将太)に嫁ぐ姿が描かれる。昨年12月上旬、撮影に途中合流し「何もかもがチャレンジで、不安の中、飛び込んでいきました」。クランクインから2カ月がたった「今でも時代劇や大河ドラマになじめているのかどうか、分かりません」としながらも、所作をはじめ「自分にとっては、すべてが本当に新鮮です。毎日勉強、毎日発見があります」と充実感がにじんだ。後から振り返ってみれば、川口の転機の1つになりそうな大役。今後も波乱のストーリー展開が続くが「激動の時代だからこそ、気後れせず、最後まで強く賢い帰蝶を演じていきたいと思います」と、さらなる飛躍に意気込んでいる。

 俳優の長谷川博己(42)が主演を務める大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(74)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生にスポットを照らす。物語は1540年代、まだ多くの英傑たちが「英傑以前」だった時代から始まり、それぞれの誕生を丹念に描く。

 川口が演じる帰蝶(濃姫)は、主人公・光秀(長谷川)の主君・斎藤道三(本木雅弘)の娘で、光秀の幼なじみ。第7話(1日)、駿河の今川義元(片岡愛之助)の動きに脅かされた尾張の織田信秀(高橋克典)は美濃の道三と和議を結ぶことを決め、そのため嫡男・信長の妻に帰蝶を迎え入れたいと申し出る。帰蝶は淡い恋心を抱く光秀に、今回の輿入れを阻止してほしいと頼んだ。

 川口は「帰蝶は激動の時代を生き抜いた女性なので、やっぱり芯の強さがあります。のちに信長をコントロールしたりする賢さもあって、凛としていて。そのことは常に変わらず心掛けています」と役作り。信長との政略結婚については「今の時代から見れば理解しがたい部分もありますが、当時はそれが当たり前。もちろん断ることはできないですし、光秀と離れなきゃいけない切なさもありますし、帰蝶の中には凄く葛藤はあったと思います。ただ、帰蝶には信長に嫁いで、やらなきゃいけない使命がある。お芝居としては難しかったですが、生まれた時からの宿命だと思って演じました」と振り返った。

 染谷については「帰蝶もですが、信長も信長で濃いキャラクター。子どもらしい天真らんまんな部分を、染谷さんがコミカルに演じてくださるので、お芝居をさせていただいて、いつもおもしろいなと思っています。もちろん、信長が潔く物事を決める瞬間もあったり、帰蝶と同じく、いろいろな顔があるのも新鮮です」と信頼感。「信長は突拍子もない言動をするので、最初の入り口は『なんだ、この人』と思ったりしますが、お母さんとの関係性(今作の信長は『母親に愛されなかった男』という視点)などを知ると、切なさも感じます。いつもケラケラしているのに、やることは大胆。そこに引かれて、どんどんのめり込んでいくのかなと思います」と帰蝶と信長の関係性を説明した。

 昨年12月上旬、撮影に途中合流。インタビューは2月中旬に行われたが「時代劇は初めてなので、お着物を着て、かつらをしてお芝居をするというところから不慣れで(クランクインから2カ月がたった)今でもなじめているのかどうか、分かりません。セット1つにしても、ロケ1つにしても、たくさんの方が関わっている大河ドラマのスケール感を日々実感しています。オンエアを見ても『凄い役者さんたちと一緒に凄いスケール感があるところにいるなぁ』と自分が出演していることに不思議な感じもしましたが、純粋にうれしかったです。自分にとっては、すべてが本当に新鮮です」と時代劇&大河ドラマ初挑戦の心境を明かした。

 所作も、その1つ。「相手によって動きが変わったり、この時代特有の所作の制限はどうしても出てくるんですが、勉強になりました」。片膝を立てて座るのも「見た目は地味でも、難しかったりするんですが、手を置く場所1つで、リラックスしているとか、緊張しているとかの表現もできたりするので、毎回、所作の先生に教わっています。毎日勉強、毎日発見があります」と充実感を示した。

 座長の長谷川とは初共演。「本当に助けられています。(クランク)インする前から温かい言葉を掛けていただいたり、撮影に入ってからも、気に掛けてくださって。いつも現場に穏やかにいらっしゃるので、安心感もあります。いつも周りに気遣ってくださっています」と感謝した。

 視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は2016年「真田丸」(19・9%)以来4年ぶりの大河初回19%超となる19・1%と好発進。その後も好調に推移し、川口への注目も高まっているが「周囲の反響ですか?もの凄くありました。友人も勉強しながら見るよと言ってくれたり。家族や友人は気合を入れて応援して見てくれています」と実感し、感謝。インターネット上でも、川口の凛とした佇まいが好評。前回第7話(1日)は「帰蝶」がYahoo!リアルタイム検索のトップ5位に入った。

 09年に女優デビュー。数々の話題作を彩り、主演も担ってきた。「自分を成長させてくれる作品と役を頂けて、自分のことを知らない方たちにも見ていただける機会。もう一生懸命やるのみです。素晴らしい作品に携わることができて、自分も成長して、いろいろなものを吸収できたらいいなと思っています」と誓った。川口のキャリアにおいて、ターニングポイントの1つになりそうだ。

 この後も半年以上続く長丁場の撮影。「帰蝶が尾張に嫁いだ後も、環境が目まぐるしく変わっていきます。今、第23話、第24話あたりの台本が届いたんですが、その時点でも衝撃的なことが平然と起こっていたりして(笑)。『えーっ!』と思いながら、読んでいます。なかなか気持ちが追いつかなかったりもするんですが、そういう激動の時代だからこそ、気後れせず、最後まで強く賢い帰蝶を演じていきたいと思います」と張り切っている。

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