「いだてん」役所広司が演じる嘉納治五郎“最後の大舞台” 五輪日本開催へかけた思い

[ 2019年9月28日 06:00 ]

講道館柔道創始者・嘉納治五郎(C)NHK
Photo By 提供写真

 NHK大河ドラマ「いだてん」(日曜後8・00)は29日放送の第37話「最後の晩餐(ばんさん)」で、俳優の役所広司(63)が演じる講道館柔道創始者・嘉納治五郎“最後の大舞台”が描かれる。

 第37話のあらすじは「嘉納治五郎は開催決定した1940年東京大会の準備を進めるが、日中戦争が始まった日本では五輪反対論が沸き起こる。理想のオリンピックとは程遠い状況に激しく葛藤する田畑(阿部サダヲ)を金栗四三(中村勘九郎)が訪ねる。五輪へのあふれる思いを語り合う二人。嘉納はエジプトでのIOC総会に参加し日本開催を危ぶむ声を封じ込める。帰国の船で乗り合わせた外交官・平沢和重(星野源)に、自らの夢を語るが――」という展開。

 同作のスポーツ史考証を務める真田久筑波大教授が、第37話の前に嘉納の人物像について語った。

 ――「いだてん」で描かれる嘉納治五郎先生について

 「これまでは柔道の嘉納治五郎というと、神様のように奉られてきましたが、『いだてん』の嘉納は、喜怒哀楽がはっきりし、それでいて理想を見失わないキャラクター、つまり人間味のある人物として描かれていると思います。教育者やIOC委員としての資料と照らし合わせると、実像に近いと思います」

 ――嘉納治五郎が日本のスポーツ、特にオリンピックに果たした功績について

 「日本のスポーツにとっては、オリンピックを通して国際舞台への道を開いたこと。オリンピックを契機に、陸上、水泳、テニス、サッカーなど様々なスポーツが世界につながっていきました。オリンピックに果たした功績としては、日本でのオリンピックの開催の意義を世界に認めさせたことでしょう。アジアでの初開催だけではなく、オリンピックを世界の文化にするために日本開催が必要だということを世界の人々が認めたということです」

 ――日本・アジアでのオリンピック開催を強く希望していた嘉納治五郎の行動の根底には、どのような思いがあったのか

 「オリンピックの理念にはスポーツによる平和な社会の建設という理想があるので、日本での開催により、治五郎の提唱する『精力善用・自他共栄(スポーツや教育で得た自身の力を目的に応じて効率よく活用し、特に他者のために尽くすことで、自分と他者がともに繁栄すること)』の考えを広め、平和な社会を実現しようと考えていました」

 嘉納治五郎の“最後の大舞台”に注目だ。

続きを表示

2019年9月28日のニュース