撮影嫌いだったジャニーさん 生涯一度だけ写真公開…貫いた「裏方」の哲学

[ 2019年7月10日 00:01 ]

ギネスブック2012年版に掲載されたジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長の写真。「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのNo.1シングルをプロデュースした人物」の2部門で認定された
Photo By 提供写真

 9日に87歳で死去したジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長は、プロデューサーとして数々の男性アイドルのグラビア撮影などに立ち会ってきたが、自身のにカメラが向くことを強く嫌った。それでも、公式的には一度だけ顔写真を公開している。2011年9月に、ギネスブック2012年版に掲載されることが決まったため撮り下ろした。

 公開した写真は、ヘアスタイルが分からないくらいキャップを目深にかぶったサングラス姿。当時は79歳。一部メディアによる隠し撮り以外の写真が公になったのは初めてで、「隠し撮りされたのが悔しくてしようがなかったから」と理由を明かしていた。実際はギネス記録認定のために写真は不可欠だったためだが、エンターテイメントに関わる大物らしく笑いに包んで説明。撮影だけでなく「(掲載に)OKを出したのは初めて」とも話した。

 ギネスブックは当時、ジャニーさんを「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」として、2000年から2010年まで計8419公演を手掛けた世界記録を紹介。「最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物」にも認定している。

 世界記録の認定はギネス社側から打診があり、2010年夏に申請。「世界一」と認定されたことに対して、ジャニーさんは「80年間のショービジネスに懸けた人生が立証されたような喜びを感じる」と感激していた。また、「これだけのショービジネスをやっている人は世界でもいない。記録が超えられることはないんじゃないかな」と自負していた。

 一方で「ギネスに認定されることは外国のショービジネスで権威付けになる」と捉えて、所属タレントの海外進出の足掛かりにする戦略も描いた。「(自身がプロデュースする)作品をラスベガスに持って行きたい」と強い意欲を見せ、「海外進出に向け、命ある限りやっていきたい」と語っていた。

 ギネスブックは翌年にも「最も多くのチャート1位を獲得した歌手をプロデュースした人物」として世界記録を認定した。

 ジャニーさんはそれまで「裏方の人間は表に出るべきではない」という考えから、メディアへの登場を一貫して拒否。撮影無しの取材には応じてきたが、一般的に素顔はベールに包まれていた。

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2019年7月9日のニュース