くらたまが選ぶ“事件なオンナ” 金、地位、名誉…欲望むきだし 愛憎劇は“今は昔”

[ 2019年4月28日 09:00 ]

“事件なオンナ”を選考する倉田真由美さん
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 【平成の10大〇〇 8】平成は女性が良くも悪くも「強く」なった時代だった。社会で活躍する女性が増えた一方で、犯罪に手を染めたり、世間を巻き込んだ大騒動を起こす“事件なオンナ”が多く出現。「だめんず・うぉ~か~」の著者で漫画家のくらたまこと倉田真由美さん(47)に強烈なオンナたちを挙げてもらった。

 昭和と平成の一番の違いは、メディアやSNSなどの発達。今まで隠れていたパワフルなキャラクターが世間に広く知られることになりました。今回選んだ10人は、プラスにもマイナスにも強烈なエネルギーのあるオンナ。そのエネルギーがマイナスに出ると犯罪者となってしまう。

 その中で、最近も「凄い、凄すぎる…」としか言いようがなかったのが、首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗死刑囚。週刊誌編集者と3回目の獄中結婚をしたというからビックリ。男の心をつかむのが天才的にうまい。インターネットでの出会い、ブログにセレブ自慢といい、「これぞ平成」という事件。欲望とエネルギーの塊で、男も女も彼女の話題のとりこだった。ただ、ぽっちゃり体形で美人じゃなかったから「若くて大金持ちのIT社長のようなセレブ」という、彼女の欲が満たされる男をつかめなかったことで悲劇が生まれたのかもしれない。
 お騒がせでは「STAP細胞はありま~す」の名言を残した小保方晴子さん。あの、間、表情、言い方…あれは才能。実は、小保方さんは最初と疑惑説明の会見の2回しか公の場に出てきていない。それで、あのインパクトを残した。彼女の名前も、顔も声も日本中が知っている。騒動の時「オレは、おぼちゃんを信じる」と言っていたオッサンがどれほど多かったか。天才のなせる技。騒動の渦中で自殺した上司もいた。違う仕事に就いてたら良かったのに本当にもったいない。
 強烈なオンナでは、サッチー騒動の野村沙知代さんや、風に乗るのが抜群にうまかった小池百合子都知事。年をとっておばさんになると、派手じゃないと男の目に留まらない。地味なおばさんは透明人間。野村さんは“毒の花”かもしれないけど華があった。とにかく派手に咲いた2人。小池都知事は実は何をやったわけでもないんだけどね。
 男を手玉にとった連続殺人も多かった。連続青酸死事件の筧千佐子被告や鳥取連続不審死事件の上田美由紀死刑囚。筧被告は、高齢資産家と次々結婚する“後妻業”。俳優や歌手など芸能人でも死に際を後妻にみとってもらう人が多かった。最後はだいたい前妻や子供を巻き込みゴタゴタする。男はどんなに地位や名誉や金があっても、年を取って弱ってくると最後に優しくみとってもらいたくなるんでしょう。
 昔は女性に財産権がなかったので女性の殺人は愛憎絡みだった。平成時代は、金目当てが多いですね。騒動も名誉や地位への欲。女性の欲望もむき出しになってきたのでしょう。その中で欲望がありすぎて、怖くて目が離せないのはやはり木嶋死刑囚。だって塀越しに“獄活”しちゃうんだから。平成の1位は間違いないですね。

 【漫画家・倉田真由美さんが選ぶ“事件なオンナ”10人】 ※年数は事件、騒動発覚時

(1)木嶋佳苗死刑囚(首都圏連続不審死事件 2009年=平21)交際していた男性が次々不審死。6人が亡くなっている。練炭を使い自殺に見せかける手口。“婚活殺人”とも呼ばれた。

(2)小保方晴子さん(STAP細胞騒動 2014年=平26)かっぽう着姿の“リケジョ”の研究者として注目を浴びたが、STAP細胞が再現できず論文取り下げに。

(3)小池百合子東京都知事(“古巣と対立” 2016年=平28)衆院議員を辞職し、自民党を離れて都知事選に出馬。旧態依然の都議会自民党との対立で“百合子ブーム”を起こす。

(4)林真須美死刑囚(和歌山毒物カレー事件 1998年=平10)町内会のお祭りのカレーにヒ素が混入され4人が死亡。集まった報道陣に水をまくなど強烈なキャラクター。

(5)筧千佐子被告(連続青酸死事件 2014年=平26)関西を中心に結婚する高齢の資産家男性が次々と不審死。遺産数億円を手にしたとされ“後妻業”という言葉が話題に。

(6)畠山鈴香受刑者(秋田連続児童殺害事件 2006年=平18)我が子を手にかけ、その疑いをそらすために近隣の子供も殺害。逮捕されるまでは悲劇の母を演じていた。

(7)野村沙知代さん(サッチー騒動・脱税事件 2001年=平13)数々の騒動で世間の注目を集めたが、一方で超一流選手・監督の夫を支えた“良妻”の側面も。強いオンナの平成代表。

(8)上田美由紀死刑囚(鳥取連続不審死事件 2009年=平21)スナックホステスを勤め、夫や交際相手など周辺の男性6人が不審死。金銭トラブルを抱えていた。

(9)下村早苗受刑者(大阪2児放置死事件 2010年=平22)子供2人を自宅に放置し餓死させた。若くしての妊娠、離婚、育児放棄などが浮き彫りになり社会問題ともなった。

(10)小室佳代さん(息子の婚約も 2018年=平30)自身の金銭トラブルが息子・小室圭さんの婚約延期に影響。いまだ解決の糸口が見えず。現在進行形の“騒動”。

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