ASKA「お待たせ〜」事件後初、5年ぶりの全国ツアー開幕

[ 2018年11月6日 05:30 ]

全国ツアー初日を迎えオーケストラを背に熱唱するASKA(撮影・久冨木 修)
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 歌手のASKA(60)が5年ぶりの全国ツアーを5日夜、東京国際フォーラムでスタートさせた。コンサートは14年の覚醒剤事件から初めて。「おかえり」の大歓声に「お待たせ〜」と応えると、IKKO(56)のものまねを披露する余裕も。事件前と変わらない自然体のステージで本格始動をアピールした。

 注目された第一声は「お待たせ〜」と陽気だった。観客5000人から「おかえり」「待ってたよ」と歓声を浴びると、人さし指を立てて「どんだけ〜」「まぼろし〜」と、IKKOのまねを続けておどけてみせた。

 「楽屋でやったらウケたのでやろうと思った。取材の皆さんはここだけ取り上げないでね。いつも通りボケから始まったということなので」

 コンサートは13年3月、全国ツアーの最終公演を東京・NHKホールで行って以来。14年に覚せい剤取締法違反罪で懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受け、9月27日に執行猶予期間が明けた。本格始動となるステージ。50人超の取材陣も集まり、発言が注目される中、自然体を強調しようと笑いを取り入れたようだ。

 10年ぶりにオーケストラと共演した。東京フィルハーモニー交響楽団がプロローグの演奏を終えると、ステージ脇から歩いて登場。紺色のスーツ姿で、表情は硬くやや緊張した面持ち。満場の拍手に手を上げて応じた。

 活動休止状態になっている「CHAGE and ASKA」のことにも言及した。相方のChage(60)もソロ活動に打ち込んでいることを挙げ「今、無理にやらずに自然の流れに任せたい」とした。この日は、チャゲアスの「熱風」でスタートし、ヒット曲「SAY YES」も披露。ソロナンバー「はじまりはいつも雨」など全17曲の構成だった。

 「いつも通り」を意識して臨んだ。事件前と変わらず、ライブに向けたボイストレーニングはせず、数回のリハーサルで声の状態をピークに持っていった。3月から月に1曲、音楽配信を続けて持ち歌を増やし、8月に配信を終了すると、ライブの準備に没頭。合間に趣味の剣道に打ち込み、ツアーを乗り切る肉体も鍛え上げた。

 粘り気のある歌声も、体を反ってハイトーンボイスを繰り出すスタイルも健在だった。2時間半の熱演。最後に「待っていてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えると、涙を流すファンが続出した。

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