「ドラえもん」新作映画 脚本は直木賞作家「背筋が伸びる、やりがいのある仕事」

[ 2018年10月16日 05:30 ]

映画「ドラえもん のび太の月面探査記」の製作発表に顔をそろえた(前列左から)吉田鋼太郎、柳楽優弥、広瀬アリス、辻村深月さん、水田わさび、八鍬新之介監督(後列同)平井大、サバンナ高橋、ロッチ中岡、かかずゆみ、大原めぐみ、木村昴、関智一
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 人気アニメ映画の最新作「ドラえもん のび太の月面探査記」(2019年3月1日公開)の製作発表が15日、都内のホテルで行われ、直木賞作家の辻村深月さん(38)が脚本を手掛けていることが発表された。

 直木賞作家がドラえもんのオリジナル脚本を執筆するのは、シリーズ39作で初めて。大の藤子・F・不二雄氏のファンの辻村さんは「背筋が伸びる、やりがいのある仕事でした」と満足げに振り返った。

 5歳の時に「ドラえもん のび太と鉄人兵団」を見て以来、「希望を素直に提示する力を学んだ。小説を書く上で私の血肉になっている」と公言する辻村さん。2005年の小説「凍りのくじら」では、各章のタイトルに「どこでもドア」「もしもボックス」などドラえもんのひみつ道具の名前を付けるほど心酔している。

 その“ドラえもん愛”を耳にした製作のシンエイ動画から、5年前に一度脚本の依頼を受けた。だが「一生ファンでいたい。作り手になるのはおこがましい」と断ったという。その後、藤子氏の遺族と会う機会があり「藤子先生は今もきちんと存在していて、藤子先生に頂いたものをお返ししたい。次の年、次世代につなげるお手伝いができれば」と翻意し挑戦を決意した。

 最新作は、のび太が主張する月に棲むうさぎを探すために、ドラえもんたちが月で大冒険を繰り広げるストーリー。小学1年生の息子がアニメを見た反応も参考にしたといい、オリジナルのひみつ道具「吸い寄せ磁石」なども考案。「聖書の続きを書くようなものでしたが、藤子先生のように楽しんで書きました。それをお届けできれば、こんなにうれしいことはない」と笑顔で話した。

 ◆辻村 深月(つじむら・みづき)1980年(昭55)2月29日生まれ、山梨県出身の38歳。04年「冷たい校舎の時は止まる」で小説家デビュー。11年「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、12年「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞した。18年「かがみの孤城」では本屋大賞に輝いた。

 〇…「ドラえもん のび太の月面探査記」には女優の広瀬アリス(23)、俳優の柳楽優弥(28)、吉田鋼太郎(59)らがゲスト声優として出演。月が舞台のためかぐや姫をイメージした十二単(ひとえ)で登場した広瀬は「国民的アニメに出演できるのはうれしい。妹(広瀬すず)にはまだ伝えていません。最近、妹の仕事をネットで知るので仕返しします」といたずらっぽい笑みを浮かべた。また平井大(27)が主題歌「THE GIFT」を書き下ろした。

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