“ゾッとする木村多江”、“切ないディーン”“はじける長澤まさみ”最終回前に盛り上がる春ドラマ

[ 2018年6月9日 06:45 ]

TBSのドラマ「あなたには帰る家がある」に出演の(左から)藤本敏史、木村多江、玉木宏、中谷美紀、ユースケ・サンタマリア、高橋メアリージュン
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 4月スタートの春ドラマが今月中に最終回を迎える。4月からストーリーを積み重ね、“有終の美”を飾るべく、締めくくりは番組スタッフ一同、頭を悩ますところだが、スタートに比べ、ゴールが近づくにつれて盛り上がりを見せる作品もある。

 テレビ番組の視聴分析をする「テレビウォッチャー」(東京)が行なっている番組満足度調査(対象2400人)によると、初回と直近回の差を比べ、上昇ポイントが大きい作品、つまり最終回直前でより視聴者が盛り上がりをみせている作品が3つあった。

 6月4日放送分までの集計で、初回満足度と直近回の差が大きい“最も盛り上がっている作品”と言えるのが、中谷美紀主演の「あなたには帰る家がある」(TBS系、金曜午後10時)。初回と第2回の満足度が3・42(5段階評価、3・7以上が高満足度の基準)とスタートダッシュとはいかなかったが、第8話で番組最高、単回計算では今クールの最高の4・03を獲得し、初回から0・61ポイントも上昇させた。高満足度の理由は“怖すぎる木村多江”にある。

 視聴者の感想を見ると「木村多江さんが怖い。壊れた自分勝手な女をうまく演じている」(55歳女性)、「ゾッとする木村多江の演技が素敵」(24歳女性)など、回を追うごとに暴走していく不倫妻の怪演が視聴者に見なければ、という気持ちにさせるのだろう。最終回を前に暴走の行き着くところが気になる。

 上昇ポイント2位はディーン・フジオカ主演「モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―」(フジ系、木曜午後10時)。初回は3・44だったにもかかわらず、2話以降上昇を続け、第6話と第7話で最高の3・96を記録、初回から0・52ポイントアップした。

 「復讐なのに、悲しくせつない」(42歳女性)、「すみれさん(ヒロイン)が暖(主人公)と呼んだシーンは切なかった」(34歳女性)など、ドラマのテーマである“復讐劇”の面白さが加速したことはもちろん、その裏で葛藤する登場人物たちの“せつなさ”が伝わってくる。それぞれの立場に立って、劇中に吸引き込まれている視聴者も少なくないだろう。

 3位は長澤まさみ主演の「コンフィデンスマンJP」(フジ系、月曜午後9時)。初回3・42から第9話3・93と、0・51ポイント上がった。詐欺師が主人公というユニークな設定とスケールの大きな騙し合いに初回こそ“ありえない”と賛否両論の意見が多かったのだが、中盤以降は「今期一番面白いドラマ。長澤まさみのはじけっぷりがとても良い」(44歳男性)、「これは大ヒット!今期のドラマナンバー1です」(39歳女性)、「おもしろい!今期のドラマでは一番好感持てるし、出演者も好感度高い!」(57歳女性)など、“今期一番”と推す視聴者も増え、まさにハマる人にはハマる作品となった。

 前評判高く、初回好スタートのドラマも終わってみれば…、というのも多い。終わり良ければすべて良し、ではないが、ドラマ全体の評価は最終回の面白さにかかっている。着地が楽しみだ。

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2018年6月9日のニュース