中村倫也「半分、青い。」でも変幻自在で存在感 女性悶絶 難役マアくん繊細演技でキャッチーに

[ 2018年6月6日 08:00 ]

連続テレビ小説「半分、青い。」で飼い猫ミレーヌとともに話題を呼び、女性ファンに人気が爆発した“マアくん”こと朝井正人役を演じる中村倫也(C)
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 「カメレオン俳優」の異名を持つ若手実力派・中村倫也(31)がN HK連続テレビ小説「半分、青い。」(月〜土曜前8・00)に東京編からレギュラー出演。“ゆるふわ”イケメン”を巧みに演じ、濃いキャラクターがひしめく中、存在感を示している。初登場時のナレーションで「半分、寝ているような顔」と言われたが、ふわっとした雰囲気にヒロイン・鈴愛(永野芽郁)も安らぎを覚えて恋に落ち、女性視聴者もメロメロになっている。制作統括の勝田夏子チーフプロデューサーに、またも“ハマり役”を生んだ中村の魅力を聞いた。

 中村が演じるのは、鈴愛の幼なじみ・萩尾律(佐藤健)の大学の同級生・朝井正人。つかみどころがない独特のムードを持ち、みんなに優しい。不思議なことに絶えず複数の女性からモテ、数々の女性を泣かしている。

 初登場は第36話(5月12日)。以後、恋愛観や甘い言葉を口にしてきた。

 「(女性との)別れ際は、よく切れるナイフでスパッと。これ、鉄則」(第36話)

 「犬、飼うとするじゃない。で、新しい犬、来ました。前の犬、捨てる?増えてくじゃん、犬。なんで女の子は、増えちゃダメなの?」(第38話、5月15日)

 「鈴愛ちゃん、金魚みたい。近くまで来たかなって思うと、スッて行っちゃう。ヒラヒラッと泳ぐ金魚みたい」(第52話、5月31日)

 脚本を手掛ける“ラブストーリーの神様”北川悦吏子氏(56)の名台詞を、中村が見事に具現化。飼い猫ミレーヌのかわいさも相まって、SNS上で“マアくん”(正人の愛称)の人気が沸騰。特に第52話のラスト、鈴愛とのキスシーン(未遂)は「今日のラスト2分のマアくんはヤバイ!金魚って言われたい!」「マアくんの真っすぐな視線がたまらない」「マアくんの醸し出す空気感にやられました」などと悶絶気味の書き込みが殺到した。

 ほかにも「マアくん、回が進むにつれて、あれ?何か気になる…もしかして…恋…?みたいな気持ちになってきている。何?これが噂の北川マジック?」「マアくんみたいな人に癒やされたい。他に何股してもいいから、つらい時に慰めてくれるイケメン…いや、イケメンじゃなくていいや、抱擁力抜群の人に優しくされたい」「マアくんがかわい過ぎて動悸が収まらない…彼のシーンだけ切り取ってリピートしまくっとります!」などと女性視聴者の心を奪い、大きな反響を呼んでいる。

 中村の朝ドラ出演は俳優デビュー年の2005年後期「風のハルカ」以来約13年ぶり。勝田氏は同作のサード演出を務めた。朝ドラとしては、今回は同作以来の “タッグ”となり「当時から芝居に独特のテンポ感がありましたが、こんなに達者な俳優さんになるとは」と成長ぶりに感慨もひとしおのようだ。

 中村自身も合同インタビューで「ト書には『切実さを感じさせないのが魅力』と。マイペースだったり、謎みたいなところがある人。興味を引き付ける要素になりますが、ただ、やり過ぎても引き付ける要素が減ってしまうし、やらな過ぎても引き付けられない。いろんな役を演じてきましたが、塩梅が一番難しかったです」と語る今回のつかみどころのない役。勝田氏は「そういう役は、ともすれば本当に何も引っ掛からずスーッと流れてしまう危険性もありますが、それをいかにキャッチーに見せることができるかが俳優の腕の見せどころ。実は非常に難しい役ですが、傍からはうかがい知れない、本人しか分からない繊細なコントロールで演じてくださっているんだと思います」と絶賛した。

 高校1年の時にスカウトされ、18歳の05年、映画「七人の弔」で俳優デビュー。芸能生活10周年の14年には「ヒストリーボーイズ」で舞台初主演し、読売演劇大賞優秀男優賞に輝いた。近年はドラマ・映画・舞台と出演作が途切れず、昨年1月クールの日本テレビ「スーパーサラリーマン左江内氏」はムロツヨシ(42)との軽妙な掛け合いが話題に。放送中の日本テレビ「崖っぷちホテル!」(日曜後10・30)は競艇好きの料理長、公開中の映画「孤狼の血」は暴力団の構成員と“七変化”している。

 変幻自在ぶりについて、勝田氏も「本当にカメレオンなんです。時々、別の作品を見ていても、あまりにも普通に役になり切っているので『え?これが倫也君?』と思う時があります。何かのスペシャルドラマ(11年のフジテレビ「最後の絆 沖縄・引き裂かれた兄弟〜鉄血勤皇隊と日系アメリカ兵の真相〜」とみられる)で、戦時中の人物で丸刈りだったこともあるんですが、本当に彼だと分からなかったんです」と証言。中村本人も合同インタビューで「そう(カメレオン俳優と)言われるのは本望。18歳でデビューした時から『何をやっても実体がつかめない』と思われ続けたいと。これが中村倫也のハマり役という役が100人100様で見てもらえるように役者をやってきましたし、今回の正人も“ハマり役だね”と思ってもらいたくて演じていました」。また次の“ハマり役”が何になるのか、期待される。

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