「バイプレイヤーズ」大杉漣&松重豊が爆笑対談!アドリブ「放し飼い」荒波反映されず「不満」

[ 2018年2月14日 10:00 ]

大杉漣×松重豊対談(上)

テレビ東京「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」で再び共演、対談を行った大杉漣(左)と松重豊
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 名脇役たちが再び本人役で共演するテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」(水曜後9・54、全5話)は、おじさんたちの“わちゃわちゃ”ぶりがパワーアップ。視聴者の“おじさん萌え”に拍車がかかり、インターネット上で反響を呼んでいる。大杉漣(66)と松重豊(55)が爆笑対談を繰り広げた。

 約1年ぶりの復活となり、深夜(金曜深夜0・12)の40分枠からプライム帯(午後7〜11時)の1時間枠に昇格。昨年1〜3月に放送された前作「〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」に続き、大杉、松重、遠藤憲一(56)田口トモロヲ(60)光石研(56)が出演。寺島進(54)はスケジュールが合わず、今作は休む。

 前回は、6人が共同生活を送る“おじさんだらけのテラスハウス”として話題に。今回は、テレ東制作の朝ドラ「しまっこさん」で共演することになった5人がロケ地を間違えて無人島に流れ着き、サバイバル生活を送るというストーリー。

 第1話(7日放送)、遭難から20日後、5人はイカダで脱出を試みるが、失敗。肩を落とす5人を、「しまっこさん」撮影帰りの岡田将生(28)が偶然、見つけ「野人?」と驚く。5人は助かった。到着した島自体は合っていたが、船着き場を間違え、「しまっこさん」メインロケ地とは反対側にいたのだった。

 「しまっこさん」で大杉は村長、遠藤はヒロイン・志麻子(本田望結)の叔父、田口は教育委員長、松重は志麻子が通う学校の校長、光石は図書館長を演じる予定だったが、不在の間に代役(小日向文世、菅田俊、野間口徹、森下能幸、甲本雅裕)を立てられ、エキストラ的な「島おじさん1〜4、島ママ(遠藤)」に…。

 前回に続いて企画を担当し、今回は演出も手掛けるドリマックス・テレビジョンの浅野敦也プロデューサーによると、今作は「やっぱり勢揃いのシーンが一番パワーがあるので、なるべく多くしたいと思っています。個々に動くシーンは前作より相当少なくなっています」。勢揃いのシーンは前回以上に、アドリブが入る余地を残した台本にした。

 初回のラスト。代役を提案したことを光石たちに責められ、「ヘリの時間だ。OK、グッジョブ!」と逃げ去る役所広司(62)に、光石は「諫早(役所の出身地)の人がグッジョブって」、大杉は「役所ー!おい!」、遠藤は「諫早ー!」などとアドリブ。最後は光石が吹き出し、第1話は終了した。

 ――前回よりアドリブが多いとうかがいました。

 【大杉】アドリブ感がないというか、ああしよう、こうしようというのは、その瞬間ですね。だいたいテスト1回で、本番みたいな感じで。最近は気を付けないといけないんですが、テストの時から(カメラを)回されていますね。ウカウカできない現場です(笑い)。

 【松重】僕ら、もうね、テストでおもしろいことができちゃうとね、それを(本番で)なぞると絶対つまらなくなるからね。テストで(カメラを)回していただいた方が、ありがたい。アドリブに関しては、もうリーダー(大杉)がジャブを飛ばすから。

 【大杉】いやいやいや。とんでもない!皆さんについていくのみです。

 【松重】僕らはリーダーの自在な動きに応えていくだけなんでね。

 【大杉】皆さん、(アドリブで)いろいろな球を投げられるんでね。何かこう、一期一会のライブを楽しんでいるというか。監督もなかなかカットをかけないんですよ(※1)。その辺も、監督が何かを覚えたんですかね(笑い)。ある意味の“放し飼い”が続いております(笑い)。

 【松重】使いどころが相当増えているということを1話の完パケを見て思いましたね。無駄に撮っているから、編集に困っているなぁって(笑い)。ワイプとか使っていますからね。

 【大杉】そうそう、上下(※2)でやっていますからね。どうも、(編集で)切るのに困ったみたいです。切った部分を編集しても1本の作品になると思います(笑い)。それを深夜に持っていっていただいて放送するとかね。「孤独のグルメ」の後あたりに(笑い)。

 【松重】(切った部分は)特典映像でいっぱいあるんじゃないですかね。それでDVD、ブルーレイを買っていただこうと。前回よりも尺が長いので、その分、台本の分量は多いと思うんですよ。特に1話とか、詰め込んでいる情報が前作の4倍ぐらいあるので。まず、副題が長いじゃないですか。バイプレイヤーなのか、朝ドラなのか、無人島なのか。

 【大杉】よく考えますよね。無人島と書いただけで、無人島に行かなきゃいけないわけですから、大変ですよ。どこかを無人島にしなきゃいけないわけですから。これまでもいろんな経験をしましたが、野生の猿と芝居をしたのは初めてでしたね(笑い)。

 【松重】あの島だけで、静岡県、栃木県、千葉県、3カ所にわたっています。

 【大杉】ドラマでは僕のクルーザーで離島に向かうという設定でしたが、僕は実際クルーザーは持っておりません!あの船の放送シーンは、ロケ時の海の荒れ具合が反映されていないことがとても不満です(笑い)。ロケで実際に操縦された船長さんが「これはいけない。帰ろう!」と。そのくらい波が荒く、恐ろしい海だったんですから(笑い)。

 【松重】オンエア上はのどかなシーンだったんですけど、たまたま年に何度かあるかないかの荒波。みんな酔い止め飲んでいたので大丈夫でしたが、カメラマンとかはゲーゲー吐きながら。すごい1日だったんですが、作品に何も反映されていない(笑い)。丸1日、船に乗っていましたが、午前中だけでいいですよね。

 ――前作と比べられることは意識しますか?

 【大杉】いいものは作りたいとは思いますが。前作を超えるとか、それぞれあると思いますが、まあ意気込みをあまり語らず…ですかね。

 【松重】ドラマって、パート2をやったり、深夜から早い時間に繰り上がったりするのは凄く名誉なことのように感じますけども、僕ら的にはただの嫌なプレッシャーでしかないので。同じことをやると全然スケールアップしていないと言われるし、違うことをやると調子に乗ってと言われるし、何をやっても叩かれると思うんですよ。僕らとしては前作のユルさを貫いて、ダメだったら「すいません」と帰ればいいかなと。

 【大杉】朝ドラというテイストが入ったとしても、時間帯うんぬんじゃなく、(放送時間が)長くなったうんぬんじゃなく、ユルい!という基本的な姿勢には変わりはありませんね。

 【松重】あとは、前作を見ていただいて、こういうテイストだったら実名で出たいという方が今作はいっぱい手を挙げていただいて。これは、おもしろかったですね。(台本の)分量はちょっと増えてとしても、ゲスト枠のお芝居で幅が広がったのは感じますね。

 =対談(下)に続く=

 【※1】浅野プロデューサーによると「そのシーンの本来の芝居が終わっていても、そこから5人の掛け合いが続くので、カットをかけずらく、延々とカメラを回しています。そのアドリブがおもしろいものですから、スタッフも笑いをこらえるのにひと苦労。本来の芝居より、アドリブをメーンに使うシーンもあります。皆さんから湧き出るものがあふれる撮影現場になっています」。5人の掛け合いが続くシーンは台本1〜2ページぐらい余分に芝居をしているという。

 【※2】劇中朝ドラ「しまっこさん」シーン23は大杉たち5人がいないため、スタッフ代役撮影(スタッフが相手役のセリフを読み、その場にいる役者の撮影を行うこと)。一方、サバイバル生活中の5人は同じシーン23の稽古を始める。この2つが1つの画面の上下に配置され(上が「しまっこさん」の撮影現場、下が5人の稽古)、同時進行。見事にシンクロした。

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