早坂暁さん死去 「夢千代日記」「天下御免」テレビ名ドラマ脚本

[ 2017年12月17日 05:30 ]

死去した早坂暁さん
Photo By 共同

 NHK「花へんろ」「夢千代日記」「天下御免」などテレビ初期から数々の名作ドラマを手掛けた脚本家の早坂暁(はやさか・あきら、本名富田祥資=とみた・よしすけ)さんが16日午後2時ごろ、腹部大動脈瘤(りゅう)破裂のため都内の病院で死去した。88歳。愛媛県出身。葬儀は家族のみの密葬で営まれる予定。

 関係者によると、早坂さんは自宅近くを歩いていたところ倒れ、病院に救急搬送された。家族にみとられながら、そのまま帰らぬ人となった。

 妹同然に育った少女が広島の原爆で亡くなったことから、原爆にまつわる作品や論評が多かった。あるインタビューでは「物書きになってまず考えたのは、原爆のむごたらしさをどう伝えるか、でした」と明かしていた。吉永小百合(72)主演の代表作「夢千代日記」は美しい芸者が織りなすラブストーリーながらも、主人公が胎内被爆者で原爆症を発症する戦後日本の悲劇を描き、骨太な人間ドラマに仕上げた。

 小説家としても有名で、自伝小説「ダウンタウン・ヒーローズ」は88年に映画化。出演した渥美清さんは親友だった。また、三谷幸喜氏(56)は「天下御免」の台本を読んで脚本家の道を目指したという。

 94年に紫綬褒章、00年に旭日小綬章を受けた。

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2017年12月17日のニュース