「ひよっこ」木村佳乃 名場面「いばらき」に興奮 ロケ地・茨城に感謝「奮い立った」

[ 2017年7月29日 08:30 ]

みね子の母・美代子を演じる木村佳乃(C)NHK
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 女優の木村佳乃(41)がNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」(月〜土曜前8・00)にヒロイン・谷田部みね子(有村架純)の母・美代子役でレギュラー出演。第11話(4月14日放送)で、美代子が行方不明となった夫・実(沢村一樹)を探しに茨城から上京した時に叫んだ名セリフ「いばらぎじゃなくて、いばらきです!」は視聴者の反響を呼んだ。木村も「一番印象に残っているシーン」と明かし「台本を読んだ時から『うわあっ』と思いました。スタッフ皆で頑張ったシーンです。奮い立ちましたね」と興奮気味に回顧。ロケ地にもなった茨城への思いを語った。

 谷田部家は茨城県の奥茨城村(おくいばらきむら)で農業を営む一家。美代子と実は3人の子どもを授かり、幸せな生活を送っていた。しかし、実が東京に出稼ぎに向かったきり音信不通。行方不明となってしまった。心配になった美代子は単身東京へ向かい、思い当たる場所を歩いて回り、警察にも相談するが、粗雑な扱いをされてしまう。

 木村はこのシーンを鮮明に覚えているようで「たらい回しにされて、まともに相手にしてもらえず、挙句の果てに『いばらぎ、いばらぎ』と言われたんです。美代子さんってそれまでは本当に幸せで…。初めてあんな思いをしたのがあの『いばらき』のシーンです。谷田部実ですって夫の名前を言っても覚えてもらえず、怒るというか『わっ』と言う場面ですよね」と詳しく回顧した。

 「あそこはやっぱり台本を読んだ時から『うわあっ』と思いました。これはもう第一印象のまま演じなきゃいけないな、と頑張って…。スタッフ皆で頑張ったシーンで奮い立ちましたね」と興奮気味に明かし「皆さんも人生の中でプライドが傷つけられた悔しい思いって必ずしてるじゃないですか。その代表だと思います。皆さんが感じたことのある感情、経験だと思います」と反響を呼んだ要因を分析した。

 過去に朝ドラは「ちゅらさん」「おひさま」を手掛けている岡田惠和氏(58)の脚本について問われると「心を打つセリフが多くて、覚えようと覚え込まなくても頭に入ってしまいます。『このセリフ言いたい。どうやって言おうかな』っていうふうに、セリフに負けないように演じなければいけないと臨んでいます」と感心しきり。ただ、セリフのほとんどが茨城弁で苦戦しているといい「方言指導の先生も2人態勢でついていただいて、茨城の話もうかがいました。(劇中では)方言が助けてくれるということもありますが、難しいですね。私は感情が入ると必ず東京弁に戻るそうなので」と苦笑いを浮かべた。

 農作業のシーンなどでは実際に茨城のロケ地を何度も訪問しているそうで「稲刈りのシーンを練習したり、(撮影に協力している)地元の方の家にあがらせていただいて、皆でご飯を食べたりしています」と木村もすっかり馴染んでいる。「自然の中で育つ人ってこういう感じの人なのか…と、スーッと(演技に)入れた感じがします」と地元の住民との交流も役作りに生かす根っからの女優ぶりを感じさせるが「あんこが好きだって地元の方に以前お話ししたら、毎回お茶碗いっぱいのあんこが出てくるようになって。架純ちゃんに苦笑いされながら全部平らげてます」と豪快に笑うお茶目な一面ものぞかせた。

 「茨城には心に染みるものがあって…。日本人にとって絶対必要な風景だな、日本ってきれいだな、と感じさせていただきましたし、地元の方には本当の家族のようにすっかり甘えてしまいました。そういう支えもあって谷田部家はできていると思います」。胸を打たれた視聴者が多かった「いばらぎじゃなくて、いばらきです!」には木村なりの茨城愛と感謝が込められていた。

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