「コード・ブルー」「黒革の手帖」「過保護のカホコ」…夏ドラマ 視聴者を満足させるキーワードは“成長”

[ 2017年7月29日 18:00 ]

フジテレビ「コード・ブルー」サードシーズンに出演の(前列左から)比嘉愛未、新垣結衣、戸田恵梨香、浅利陽介(後列同)馬場ふみか、成田凌、椎名桔平、安藤政信、新木優子
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 7月スタートの夏ドラマが出揃った。視聴率では山下智久主演の「コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜THE THIRD SEASON」(フジテレビ・毎週月曜よる9時)が16・3%と今期唯一15%超えの好スタートを切ったが、視聴者の支持次第では今後期待できるドラマは少なくない。

 「コード・ブルー」の好ダッシュを裏付けるデータは視聴率だけではない。データニュース社(東京)が行なっている満足度調査(対象2400人)でも3・96(5段階評価)と唯一高満足度の基準3・7を上回りトップ(プライム帯ドラマ)。医療ドラマとしての評価はもちろんだが、前作から7年が経過したことで登場人物の成長も楽しめるのが高い満足度の要因の一つだろう。成長という言葉にスポットを当てれば、他のドラマも“成長”がキーワードになっている。

 満足度2位は武井咲主演の「黒革の手帖」(テレビ朝日・毎週木曜よる9時)で3・64。過去に何度も映像化され、04年の米倉涼子版も記憶に新しい。視聴者から高評価を得た理由に、武井咲の女優としての成長が挙げられる。23歳の武井は、元銀行員で巨額の金を横領し、銀座のクラブのママへ転身するという悪女に挑戦。一歩間違えればイメージに合わず、満足度を下げそうだが、「武井咲が主人公を予想以上に上手く演じていた」(40歳男性)、「米倉涼子版の印象が強いので武井咲に不安だったが、清純な顔と悪女の二面性が見られてとても面白かった」(50歳女性)、など、イメージを覆す演技を見せ、その好演が満足度を高めている。

 満足度3位は「過保護のカホコ」(日本テレビ・毎週水曜よる10時)で3・61。「女王の教室」「家政婦のミタ」などのメガヒットメーカー遊川和彦脚本の最新作だ。主演は朝ドラ「とと姉ちゃん」など、今最も旬の女優の一人である高畑充希。主人公の“カホコ”の成長を見守る楽しみが高満足度に繋がっており、「過保護に育った子供と母親がどう成長していくのか今後のストーリー展開が楽しみ」(40歳女性)、「カホコが成長した姿にはちょっと嬉しくなった」(33歳女性)など、これまであまり見かけなかった“過保護に育ちすぎた主人公”の行く末が、視聴者にとっては新鮮で、その成長の一端が第1話で垣間見えたことも今後の期待値を上げたようだ。

 まだ“成長中”だが、そのほかの夏ドラマを見渡すと、“仕事が出来ない夫”の成長を見守る「ウチの夫は仕事ができない」(日本テレビ・毎週土曜よる10時)や、“学校爆破”という事件から高校生たちが成長していく「僕たちがやりました」(フジテレビ・毎週火曜よる9時)。“読モから専属モデルへ”と成長していく女性たちを描く「セシルのもくろみ」(フジテレビ・毎週木曜よる10時)など、“成長型”連続ドラマが多い。実生活で何か成長をしたいと思う背景の一つにドラマがあってもいい。役者に刺激を受けて成長を実感できる夏、というのもいい。

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2017年7月29日のニュース