活力源のカツオ節を相棒に…さかなクン、ハコフグ16年目の使命感

[ 2016年7月22日 11:00 ]

初の自叙伝「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生~」を刊行した、さかなクン
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 魚博士の枠をギョギョッと飛び越え、マルチに活躍する、さかなクン。22日に刊行した初の自叙伝「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生~」(講談社)では、魚をはじめとする生き物や友人との出会いが生き生きとつづられている。東洋海洋大学の客員准教授にして、名誉博士。自身の“好き”を極めてきたその人生、大海原をいきいきと泳ぐ原動力とは――。

 イベントや講演で全国を飛び回るなど多忙な日々。「(生活は)不規則と言ってもいいぐらい」だと話すが、ハイテンションな動きはいつでも健在だ。「マグロも時速100キロで泳ぐとか言いながら、最近の研究では時速6~7キロだそうです。好物のイカやイワシを見つけた時に、ぶわぁーっ!と飛びかかる時だけ瞬発力を発揮し、普段は歩くくらいの速度なんです」。自身もペース配分はばっちりで「適度にマグロちゃんが普段泳ぐぐらいにゆったりもしています」

 とはいえ、ペースを守っても疲れるときはある。そんな時に力になってくれるのも魚だ。特にカツオの抗疲労効果を挙げ、その底力を伝える口調にも熱がこもる。「刺身を常に食べようと思っても難しい。だからカツオ節でいいんです」。常にパック包装のカツオ節を携帯しているそうで「ポテトチップスにも振りかけて食べるとおいしいんですよ。ヨーグルトにもいいですよ。万能ですね」と止まらない。

 「お魚で笑顔に、元気になってもらいたい。一緒に感動を共有できたらうれしい」。精力的な活動はこんな思いに支えられている。もちろん、楽しく明るい場面だけではない。今年3月の熊本地震の際は被災者を案じ、避難所で炊き出しを行った。「とにかく会いに行きたい」という一心だった。

 東日本大震災や新潟県中越沖地震の支援も続けている。必然的に全国を飛び回ることになるが「実際うかがうと、皆さん笑顔で喜んでくださって、それだけでもジーンときて。そうすると長距離で到着しても、逆に疲れが吹っ飛ぶんです」と目を輝かせた。「頭にハコフグを乗せて、お魚の感動を共有させてもらうようになって、おかげさまで16年目。だからこそ、いざっていう時には駆けつけて、一緒に喜んだり、元気をちょっとでもお届けできたり、これが自分にできること」。使命感にも似た思いに突き動かされ、きょうも海から海へと回遊する。

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